さらば八幡書店の爺い
高校時代、高校の近くの八幡町に古本屋があった。5坪ほどの小さな古本屋で、店主は50代半ばの爺いだった(当時は爺いに見えた)。
本業は金貸しの仕事だったようで、古本屋は趣味のような感じでやっていたように思う。100円コーナーが充実していて、大げさに言えば、高校時代の僕の知の源泉は、この古本屋の100円コーナーの文庫本が全てだった。
放課後、古本屋に立ち寄ると、かなりの確率で爺いは似たような爺いを集めてマージャンをしていた。
またある時は、お金を借りにきたおばさんに、返す当てが無いのに借りに来るんじゃね〜よと怒っていた。
この八幡町の古本屋は、僕が大学を終えて、東京で塾講師をしている間に爺さまが亡くなったようで、閉店していた。
マルクスの資本論もドストエフスキーも太宰治もこの古本屋で出逢った。もちろんエロ本も(笑)。
ジャズ喫茶のマスターには憧れたけれど、残念ながら古本屋の店主にはなりたいとは思わなかった。あのマージャン疲れと酒焼けをした不健康な爺いの影響であることは間違いない。
そう言えば、独立して塾を始めて35年になるけれど、その間一度もマージャンやってないな。独身の頃は暇さえあれば卓を囲んでいたのにね。
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