望月諒子という天才作家
またまた同世代の作家さんだけれど、塾をやりながら作品を書いていた方でなんというのか、彼女の作品を読むと、僕のようなぐだぐだのブログを書いている人間からすると、こんな文章を書かれたら参りましたって感じですね。
特に『腐葉土』の中で、関東大震災と東京空襲の場面の描写は圧巻。さまざまな作家が戦争の惨状を書いてきたけれど、望月諒子の描写は、鋭利な刃物で生身の人間をえぐるようなドス黒さの中に、震えるような怒りと悲しみが塗り込められていて、本を閉じたくなるのだけれど、無理やり読まされるようなそんな感覚でしたね。
それとこれは文章とは関係ないのだけれど、文庫本に載せている彼女の顔が凄い。大抵の作家さんは作家さんぽい写真をアップしているけれど、彼女望月諒子の顔は、フルマラソンを走り終えてた後に酔っぱらいに絡まれて、ふざけんなよと凄んでいるような表情。いいね。
もう一つ『神の手』という作品があるのだけれど、小説を出版する編集者たちの裏事情が暴露されていて面白い。この本をよんで僕が思ったのは、小説を持ち込むのと、音楽事務所に自作のデモテープを持ち込むのは似ているなってことだね。
売れるかどうかより、時代に取り込まれるかどうかなんだろうな。
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