塾が消える日、大学も消滅する
今年農家からのお米の買い取り価格が倍になった。おのずと店頭に並ぶお米も高くなった。これは今年の米不足による需要と供給のバランスによるものだ。
2年前はお米の価格が暴落して離農者が急増した。肥料や農薬が倍近くになったにもかかわらず米が値上げするどころか下がったからだ。
今年の米価ならば、農家の利益率は赤字に転じないだろけれど、果たして今年の価格が継続していくかどうかだ。
この米騒動は塾の事情にも関連する話だ。地方の小さな町では、少子化が進み、どこの公立高校も倍率が1倍を下回る状況だ。こうなると塾通いがストップする。
地方都市というのは農家の景気が反映する。サラリーマンをしながら米作りをするいわゆる兼業農家がほとんどだ。お金に余裕が生まれれば、子どもを大学に入れるおうちも増えるだろう。しかし米価が下がり続けてきた近年、農村部の若者たちの大学進学は低迷してきた。
農業の就業率が低いのにそれが大学進学に影響することなどないだろうと思われる方も多いだろうと思う。いやいやそうじゃない。街に住む息子夫婦の子どもの学費を援助する実家のおじいちゃんやおばあちゃんは多いのだ。かわいい孫のために農業の収益を孫の教育費に捻出する話は多く聞く。
先日も触れたが中堅の公立高校や私立高校からの大学進学はほとんどが内申点と作文の推薦入試だ。高校入試もそうだが大学入試も推薦で入れるので塾通いはしない。
大学受験の勉強をしないと言うことは、中堅大学以下の私立大学に入学する生徒たちの基礎学力は一昔前と比べると、はっきり言って危機的な状況になっている。大学に入って自己覚醒し努力する学生もいるが、朱に交われば赤くなるの例えじゃないけれど、バイトとコンパに忙しくて勉強はやらない。
学生の質が低下した大学は、さらに生徒集めに苦心する。あの大学に行ってもまともな企業から求人なんてこないよ、と言う評価が溢れ出す。
これほど大学が乱立していなかった時代は、兎にも角にも進学校じゃない高校から大学受験を目覚めす高校生は予備校や塾で勉強をした。普通高校では大学受験用の指導をしてくれなかったからだ。
故にどの大学でも大学生のレベルは今と比べれば高かった。街を歩いていれば遊び人か大学生かの区別はついた。しかし今はどうだろうか。あえてコメントは避けるが、そう言うことだ。
大学に行くのに受験勉強が必要じゃなくなったので、大学受験専門の地方塾は閑古鳥が鳴くようになり、廃業する塾が増えている。そして僕は塾だけじゃなく多くの私立大学も消えて行くだろうと思う。
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