確率的にはあり得ない
僕の隣家で唯一残っていた茅葺の屋根をゴミを出しにいきながら何気なしに写したら、なんとこの写真を撮った翌日に消えていた。
その茅葺き屋根が壊されて消えた翌日、隣町のお爺さんが一人でやっている蕎麦屋さんに行ったら、営業の最終日で、移転のためしばらく休業するとのこと。終焉直前の風景や建物に立ち会うことが最近多い。
今年の春に叔母が亡くなったのだけれど、老人ホームの住所のままで逝ってしまうのは気の毒だと思い、生まれ育った我が家の住所に変更した。その夜に叔母は天国に向かった。92歳の大往生だった。
何気ない自分の行動が、単なる偶然や思いつきでアクションを起こしているように思っていたのだけれど、何ものかに突き動かされているのかも知れない。
この杉林に囲まれた茅葺き屋根の風景を僕がその時撮っていなければ、この写真はこの世に存在していない。だからななんなんだと言われればそれまでだけれど、確率的にはあり得ない偶然が頻繁に起こる昨今、僕自身も褌を締め直して日々を過ごして行かねばと思うこの頃である。
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