今日は入試
土曜日のお昼過ぎ。いつもなら高校生や小学生の受験生が集う時間なのだけれど、今日は大学入試共通テストで高校3年生は盛岡。6年生は一関一高附属中学校で入試。一関高専は推薦入試。故に教室は静寂の中。
この時期から今度は、来年度の新受験生の問い合わせが始まる。そして申告。なかなかほっとする時間がないまま季節は変遷して行く。
学歴が全てじゃないよと、いつもこの時期になると耳にする言葉。それを肯定するのも否定するのも立場上厄介なので、適当に頷く自分。高校も大学も私立で、偏差値の数値がちょこっとへばりついているような学校を出た僕が、学歴は大事だとよと言ってもなんの説得力があるはずもなく、かと言って、学歴なんか必要ないよって言ってしまえば、僕の職業が成り立たないわけで、やっぱり沈黙するしかない(笑)。
僕の塾に来ている小学生で、中学を終えたら鳶職になってお金をバリバリ稼ぎたいという男子児童がいる。寺子屋を始めて、今までに1人だけ高校進学をしないで働く道を選択した生徒がいた。成績は抜群で、市内の高校ならどこを受験しても受かる力を持っていた。男子児童に中卒で働きたいと言われて、かつてのその生徒のことを思い出していた。
高卒や大卒という資格がいらない世界で生きて行くことは、大変なことだと思う。肉体労働や芸能の仕事、時に命の危険が伴うことも多い。ネクタイを締めて背広を着て、エアコンの効いている快適な部屋で働くことが望みだという若者が多い中で、あえて過酷な環境に身を置く選択をするのは、それなりの理想とする生き様みたいなものがあるのだと思う。
高校1年の時に、退学届けを持っていった自分がいた。もう1学期だけやってから考えればと担任の先生から言われ、結局最終的には卒業まで在籍したわけだけれど、あの時高校をやめていたら、今の自分はどんな人生の風景を眺めていたのだろうと、誰もいない教室でふと考えるかねごんであった。
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