タイマグラの世界
早池峰山に魅せられて四半世紀が過ぎ去った。早池峰に登った回数は20回ほど。塾生と一緒に登ったこともあれば、夜中にひとり月明かりを頼りに登頂したこともある。ただ近年は年齢による体力不足と運動不足を理由にご無沙汰しているが、人生で一番多く登った山には違いない。
その早池峰の山懐に、ひっそり佇む山小屋がある。タイマグラと呼ばれる森の中に、森に中に迷い込んだ旅人をもてなしてくれる場所がある。雪に閉ざされると、そこは間違いなく北上高地の孤島になる。タイマグラには今3軒の家があるが、そこから遠野方面に向かうと、店がある場所までは50キロはある。実際走ってみると、熊や鹿が山道を横切り、天空を走っているような錯覚に陥る高原の道だ。
僕の家もかなり辺鄙な所だが、一番近くの店までは5キロほど、桁が違う。何かがある幸せと、何かがない幸せ。便利であることの悲しみと、不便であることの悲しみ。人生を教えてくれる多くの本があるように、人生を教えてくれる場所がある。
今年ももうすぐ終わろうとしています。よいお年を。

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