たかが連立方程式ではあるけれど
中学生に数学を教えて30年近くなるのだけれど、毎年連立方程式の所に入ると、考えさせられることが多い。
実は連立方程式が解けない中学生に限って言うと、圧倒的に女子が多い。かつて女性は地図が読めない云々という本が出版されたことがあったが、女子中学生は連立方程式が解けない。
いくら数学な苦手な男子生徒でも、5,6回加減法や代入法の計算式を繰り返し教えると理解してくれるのだが、最初の連立方程式につまづいた女子生徒は、迷路にはまって出て来ない。
これは僕の塾だけのことだろうか。女子生徒が連立を解けない理由の中に、何か世界の秘密のようなものがあるのだろうか。悩むかねごんである。
計算式が解けないので、もちろん文章題も解けることが出来ず、いつしか単元は一次関数に移り、連立方程式は忘却の彼方に追いやられて行く。
ずっと連立方程式をやるわけにもいかず、毎年僕は悪戦苦闘する。確かに濃度問題や速さに関する連立方程式の文章題は難しい。苦手な生徒は多い。しかし計算問題はそれほど困難なわけではないと思うのだが・・・・・。
この中学2年生の基本的な問題が解けないと、高校に入ってからの連立方程式を使う数式にはさらに苦悩するのではないだろうか。いや苦悩ではないな。完全なギブアップ状態になる。
中2の数学が連立方程式に入る頃は、中総体直前で、きっとなにかと多忙な時期ではある。そして同じ年齢でも、女子生徒は男子生徒に先んじて思春期を迎える。中2病などという言葉が巷で闊歩するほど、中学2年生は不安定な時期だ。
中学2年次で連立がだめだと、その後の数学に多大な影響が生まれる。夏期講習等を勧めても、部活が忙しいとの理由で復習する時間もままならない。
たかが連立方程式なのだが、どのような手法や詭弁を弄してでも、なんとか覚えてもらいたいと願う苦悩は毎年続く。
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かねごん先生。もう何年も読ませて頂いている、ある塾講師です。初めてこちらから送らせていただきます。
男子女子の区別はわかりませんが、個人的に短い数学指導(10年)のなかで思った事です。
消去されてしまう場合
塾に週1回来ても、次の週には記憶がなくなってしまい、やり方を忘れてしまっている ケースです。週に2回にしてもまだあります。呼び出して、週3回にしてもまだ忘れます。
本人や家庭に、勉強に対する意識が薄い場合によく起こります。
元々「正負の数」や「文字式」がわかっていない場合
7a+3=10aとしてしまうような場合や、-3-5=2としてしまうような場合です。これも、「消去」と関係するかと思いますが、文字式については「区別する」という部分が弱いです。
中学校の数学は、生徒にとって大変なものかもしれません。できなかった生徒は何回もくり返しやらせています。できるようにするしかないじゃないかと話しています。
数学の問題は、ひとつまちがえても結果は×です。そういう厳しさがあります。原発も同じです。
(かねごん)
かいけ様コメントを頂きありがとうございます。稚拙な僕の文章に長年お付き合い頂いていることに感謝申し上げます。
数学がとても苦手な男子生徒は、もがき苦しみますが、数学がとっても苦手な女子生徒は諦観しますね。
ただし数学が得意な女子生徒の数学的頭脳回路は、半端じゃありませんね。一瞬にして宇宙心理にたどり着く勢いです。
ところで、かいけ先生がご指摘の通り、連立方程式が解答できない生徒は、中学1年の正負の計算が定着していません。
かれらもプライドがありますので、「連立が解らない」と言いますが、方程式に於ける正負の処理が解っていないんですね。
男子生徒はある種素直なので、プライドを捨てて教えを乞うてきますが、女子生徒は難しいですね・・・(汗)。
投稿: かいけ | 2015年8月29日 (土) 00時36分