『神は沈黙せず』
2004年に山本弘氏が発表した長編『神は沈黙せず』は第25回日本SF大賞候補作になった近未来小説だ。神の存在理由や、魂の問題をコンテンポラリーなデジタル理論でひも解いていく。
神には善悪の感覚があるのか。宇宙人は存在するのか。今我々が生きている世界は、本当に存在するのか。次から次へと生じる疑問に、答えを模索する現代人の苦悩と希望が錯綜していく物語だ。
膨大な宗教の残骸が、ページをめくるごとに混沌と堆積して行く。既成の宗教観がころころと崩壊して行く中で、人間の本質とは何かという疑問に、神や宇宙認識がゲーム感覚でオーバーラップして行く作品だ。
超常現象や宇宙の謎に興味がある方にとっては、最高におもしろい作品だと断言しておこう。
新年度のカリキュラムのご案内➡大験セミナーHP
« 僕のちょっとした苦悩 | トップページ | 花泉町大門神社の石奉納 »
「おすすめの本」カテゴリの記事
- 高橋克彦ワールドに魅了されて(2016.10.17)
- 受験生にとってこれほど邪魔なものはない(2016.05.27)
- 宇佐美陽一著『伽夜と伽羅の物語』(2016.05.12)
- 貧乏とは、欲が多すぎて満足できない人のことです(2016.05.06)
- 東京バンドワゴン(2016.02.13)
コメント