卒業式に寄せて
青春の一時期に戻ることができるならば、皆さんはいつの頃に戻りたいだろうか。中学時代だろうか高校時代だろうか、もしくは小学校時代だろうか。
こんなことを問いかけておいて言うのもなんだが、僕は残念ながらどの時代にも戻りたくない。どうしても過去に戻れと言われたら、高校時代は絶対いやだ。あのちゅうと半端な時代が耐えられなかった。大人でもない子どもでもない、宙ぶらりんの時代は、息苦しかった。だから卒業式の日は心底嬉しかった。
人はしょせん孤独なものだというのが、若い頃の僕の人生哲学だった。自分の足で自分の頭で、生きて行かなければならないと思っていた。本当は家族や親にとことん面倒をみてもらって生きていたのに、そのことが疎ましかった。未熟な馬鹿青年だった。
愛すべき馬鹿学校だったので、卒業式のあとの同級生はやりたい放題だった。自動車を駅裏に隠してやってきたやつは、式が終わると制服を脱ぎすて数人の仲間とドライブに繰り出し、彼女がいる友人はラブホへとランデブー。夜は夜で居酒屋で宴会としゃれ込んだ。
今なら全員卒業取り消し、始末書提出というところだろうか。全くもってアバウトな時代だった。
我々の頃の卒業式と言えば、『蛍の光』 が定番だった。窓の雪~♪と言うフレーズが、季節はずれじゃないかと思ったものだが、近年の卒業式は、しっかり雪が残っている。地球温暖化のはずが、岩手は寒冷化が進んでいるかのようだ。
今の卒業式は一人一人が壇上に向かい卒業証書をもらうところが多い。我々の頃は、戦後第2次ベビーブームの申し子たちなので、どの学校もぎっしぎっし、中学校の時などは1000人近くの生徒数(全校生徒数)だった。ゆえに卒業式は名前を呼びあげられるだけ、それでもかなりの時間がかかった記憶がある。
今の卒業式はポップスを歌うところが多いと聞く。僕らの時代で言えば、松任谷由実の卒業を歌う感じなのだろうと思う。仰げば尊し~♪なんて歌っていた僕らとは次元が違うようだ。
さて話が迷走してしまったが、今日は一関市内、多くの高校で卒業式だ。とりあえず卒業おめでとう。とりあえずと言うのは、これからが君たちの本当の勝負どころだからだ。まだ合格発表前の高校生も多い。
ようやく人生のスタートラインに立ったという感じの諸君も多いのではないだろうか。悔いのない人生にするためにも、これからが大切だ。頑張って欲しい。
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