最近のトラックバック

« テレビやラジオから流れてくる『山菜の美味しい季節ですね』などと言う言葉を鵜呑みにして、山菜取りに出かけてはいいけない | トップページ | 鈍才の楽しみ »

2015年3月29日 (日)

ご先祖様も許してくれるだろう・・・

種まきに使う土を軽トラックに積み込んで買ってきた。来月の半ばには水稲の種まき作業を行わなければならない。田植え機も30年以上になる。骨董品だ。これが壊れたら、農業機械を買う余裕もないし、水稲農家を廃業しようかと思う。

国の買い取り価格が30キロ4500円では、全く採算が合わない。農家をやめてお米を買って食べた方が安上がりだ。

かつては無農薬で、天日干しのお米を作っていたので、欲しい方には30キロを10000円で買って頂いていたが、東京電力福島原発崩壊後は、無農薬の意味がなくなり、放射能米などと揶揄されるお米になってしまった。無農薬も天日干しもやめ、刈り入れ等の作業はすべて委託している。

その結果JAへ出荷したコメ代金が13万ほどで、委託作業に支払った代金が16万だった。そのほかに、土代やら種もみ代、水上げポンプにかかったガソリン代等を引くと、10万ほどの赤字になる。

普通の人はとっくに農業はやめている状況だ。僕の家は農業で生計を立ててきた。僕で18代目になる。400年近くこの地で農業を営んできた。飢饉のときもあっただろう、ひょっとすると娘を身売りしたなんてこともあったかもしれない。それでも脈々と命が引き継がれてきたのは、大地からの恵みのおかげだったろうと思う。その恵みを僕の代で放棄してしまうのは、ご先祖様への冒瀆のような気がしてならないのだ。

父は大工をしながら農業を守ってきた。祖父は桶職人をしながら農業を守ってきた。僕は塾をやりながら、耕作面積こそ半分になってしまったけれども、それでもなんとか続けてきた。しかし我が家の生業としてきた稲作農家は、そろそろ終焉を迎える。時代の流れには逆らえないのだと思う。

僕もあと何度、田植え作業をするのだろうか。休耕田50アールの草刈作業はまだどうにか頑張れそうだが、稲作のほうは、やればやるほど無常観が漂って来る。農家の長男に生まれた理由というものを考える時があるが、まあここまでやってくれば、ご先祖様も許してくれるだろうと、勝手に思っているかねごんである。

にほんブログ村 教育ブログ 塾・予備校教育へ

新年度のカリキュラムのご案内➡大験セミナーHP

« テレビやラジオから流れてくる『山菜の美味しい季節ですね』などと言う言葉を鵜呑みにして、山菜取りに出かけてはいいけない | トップページ | 鈍才の楽しみ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ご先祖様も許してくれるだろう・・・:

« テレビやラジオから流れてくる『山菜の美味しい季節ですね』などと言う言葉を鵜呑みにして、山菜取りに出かけてはいいけない | トップページ | 鈍才の楽しみ »