見知らぬ妻へ・浅田次郎
浅田次郎の作品を半年ぶりに読んだ。2年前は浅田次郎の歴史小説を読みあさっていたのだけれど、短篇集の哀愁あふれる作品も実にいい。
この短篇集は、人間の孤独がテーマだ。組織や家庭からはみ出した人間の切なさや戸惑いが、時にユーモラスに、時に哀惜を込めて描かられている。
学生の頃の恋人が忘れられなくて、40になっても結婚しない女性。亡くなった夫と暮らした団地を離れられず、孤独死をしてしまう女性。営む会社が倒産し、家族に捨てられ、ヤクザ稼業に身を落としている元社長。
様々な人生模様の中で、小説の中の主人公達は、自分の周辺に漂う孤独感を時に忌避し、時に諦観する。
人を愛することの脆さは、真剣に人を愛した人しかわからないかもしれない。
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