じっと手を見るの心境だ
先月の7月28日からスタートした夏期学習会も昨日終了した。16名が参加してくれた。夏期講習会の参加人数が、ようやく東日本大震災前の人数に戻ってきた感がある。
震災後、福島・宮城・岩手の被災地の人口減少は顕著だ。一関市もその例外ではない。そんな中、市内の学習塾の数は増えることはあっても減ることはない。故にどこも厳しい経営状況だろうと思う。そんな中で、塾生の数が復活してきた僕の塾は、幸いなのだろうと思う。
塾はなんとか開校25周年を迎えた。9坪ほどの小さな小さな個人塾だ。百姓をやりながら、高校や短大の英語の非常勤講師をやりながら、どうにか今回の震災の困難を乗り越えてきた。いや乗り越えつつある。
今回の震災で塾もかなりの痛手だったが、それよりも農業が大ダメージだった。田植え前に苗の消毒をするくらいで、あとは無農薬の水耕栽培をやってきた。稲刈りもコンバインを使わず、手作業で天日干しの収穫をやってきた。
ぼやけてしまっているが、震災前田んぼで作業をするかねごんの姿である。しかし東京電力福島第一原発がメルトダウンし、この僕の田圃にもセシウムが舞い降りた。さいわいにも基準値以下の放射線量であったが、無農薬栽培をやってきた僕のポリシーを踏みにじるこの悪夢に、僕は天日干しの収穫から脱落してしまった。
震災前は、市場価格の2倍ほどで買ってくれる消費者の方もおられたが、放射能の影響を受けた僕の田圃のお米は、農協に出荷するのみである。コンバイの作業を委託すると、農業収入は完全に赤字になる。
啄木ではないが、じっと手を見るの心境だ。
ジョンビリングさんのライヤーコンサートのごあんない⇒震災特別支援コンサート
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