約1万5千人が5ミリシーベルト超の被曝
東京電力福島第一原発で事故後3年間に働いた約3万人のうち、約1万5千人が5ミリシーベルト超の被曝(ひばく)をしていたことがわかった。作業員の被曝は徐々に減ってきていたが、汚染水問題が発覚した昨夏以降に再び増加。厚生労働省は昨年末に東電を指導したが、被曝対策は今も不十分だ。
福島第一原発では1日約3千人が働く。「年50ミリ超、5年で100ミリ超」の被曝で働くことが禁止されるが、この限度内でも健康被害が出ないとは限らない。白血病の労災認定基準は「年5ミリ以上」、放射線管理区域は「年5ミリ超」で、「5ミリ」は被曝管理上の一つの目安だ。
東電の集計によると、2011年3月の事故から今年1月までに働いた3万2034人中、累積で50ミリ超を被曝したのは1751人、うち100ミリ超は173人。5ミリ超は半数近い1万5363人に上った。作業員は数カ月単位で働くことが多く、「累積5ミリ」の人の大半は「年5ミリ」の白血病労災認定基準を満たすとみられる。
朝日新聞社
毎日3千人の方々が福島第一原発で働いている。彼らの健康被害が現代文明の捨て石であってはならない。
厚生労働省の東京電力に対する指導などは、あってなきもの。下請け孫請け会社の実態は全く把握されていない。日雇いで雇われて福島に連れてこられる労働者もかなりの数にのぼっている。
住所等の連絡先さえも明記されないまま、働いている作業員もいるのではないだろうか。被曝による健康被害が出た時の補償問題はどうなるのだろうか。
原子力発電を促進しようとしている自民党安倍内閣。国内がダメなら外国に原子力を売りつけようと躍起になっている。国益と人間の生命の尊厳を天秤にかけること自体、あってはならないことだ。
崩壊した福一のために、生命を顧みず、原子力発電所の崩壊処理に自らを投じている方々の意志を思うと、この国の地場のギャップに衝撃を覚える。
政治家もそうだが、ぬくぬくとしている我々もそうだ。テレビや新聞で報じられるニュースは、血なまぐさい事件ばかり。もしくはどうでもいいような芸能ニュース。
撒いた種は刈り取らなければならない。放射能の問題に目をそむけて、原子力エネルギーを論じることはできない。過酷な現場をもっとマスコミは取り上げるべきだ。それが労働者の補償にも繋がる。
多くの利益を上げるはずの原子力が、崩壊すれば莫大な損害をもたらす。儲かった時は電力会社の利益、一旦事が起これば、政府に丸投げ。
労働の不平等感に鈍感になってしまった国民。巨大企業の倫理が国益を損なっていることに気づていない。朝三暮四の四字熟語に、我々は見事にはまってしまっている。
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いつも拝見しています。
事故から3年がたちますが、毎月単位でみても、福島第一でトラブルの報告のない月はないでしょう。こういった、作業員の方々の犠牲があるというのは、わかってはいたものの、下請けのかたがたは、危険手当ももらえない人もいると聞くと、やりきれない気持ちになります。
さて、3月7日のフライデーに、福島県の子供たちの甲状腺がん検査をまとめている、福島県立医大の医師やその家族、学生だけに放射性ヨウ素被ばくの予防薬である「安定ヨウ案剤」が配られていたという記事を発見しました。
(一部引用)
医大は、県から4000錠のヨウ素剤を入手。1号機が水素爆発した3月12日から配り始め、多いところでは1000錠単位で院内の各科に渡していた。しかも、医療行為を行わない職員の家族や学生にも配布。資料には「水に溶かしてすぐに飲むように」と、服用の仕方まで明記されているのである。
『事故が発生してから病院に来なくなった医師もいて、動揺が広がっていました。院内の混乱を鎮めるために、上層部がヨウ素剤の配布を決めたようです。しかも服用を県に進言していない手前、配布については緘口令が敷かれていました』(医大職員)
11年3月、 福島県庁は、県外の医療機関などから114万錠のヨウ素剤を緊急収集し各自治体に配ったが、服用については指示を出すことを躊躇。 結局、独目に決定した三春町を除いて、直接県民に配られることはなかった。
引用終了
現在までに75人のフクシマの子供たちが、甲状腺がん、もしくはその疑いありと診断されています。これは、一説には通常の発生率から300倍とも言われます。
相変わらず、県立医大などは、因果関係は考えにくいとしていますが。。
もし、ヨウ素剤を飲む支持がでていたなら、もっと少ない被害ですんだのではないでしょうか??薬を探し、東奔西走した母親もいたのではないでしょうか??
自己保身はしっかりして、安全なところから、山下教授(医大副学長)などは健康に影響ないなど繰り返して、医師として最悪、人間としても最低ですね。
(かねごん)
茨城県の花★花様コメントを頂きありがとうございます。
保身・・・・・そうですね。
守らなければならない人たちが、守るべき人たちを守らない怠慢は、人間としての尊厳を失っていますね。
責任ある立場の人間が、いつもどうしてこうなんでしょう。
投稿: 茨城県の花★花 | 2014年3月12日 (水) 11時07分