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2014年3月 9日 (日)

不思議な感覚だ

今日の話は、英語が出来ないけれど英語をなんとかしたいと言う方のための話である。

語学が得意な人には関係ない話かも知れないので、スルーして頂いたほうがいいだろう。

さて話は長くなるが、僕は中学時代そして高校2年の夏まで、英語がさっぱり分からなかった。高校入試を控えた直前ですら、過去形と現在形の区別がままならず、ちんぷんかんぷん。原因は、英語教師がつまらなかったこと。故に授業がおもしろくなかった。さっぱり英語に興味が沸かなかったのである。おまけに部活と音楽にのめり込み、苦手を克服する意思など砂粒ほどもなかった。

志望は工業高校だった。中学3年の春までは、無線技士になることが夢だった。ところがである。中3の夏休み前に、工業系の学校を受験できないことが発覚した。色弱である。黒と赤の区別がつかない色弱である。故にいまだに赤ペンと黒ペンを間違えて問題用紙の丸つけをすることがしばしばだ。

ここで強い意志の生徒ならば、工業系の学校がダメならば文系志望で頑張るかとなるのだろうけれど、残念ながら僕にはそんな強靭な意志はなかった。夏休みはかき氷を食べながらぼ~とテレビを見て過ごし、夜ともなると深夜ラジオで流れてくるロックやポップスに合わせてギターを弾く日々。受験生とは程遠い日々が過ぎて行った。公立高校は惨敗。私立高校に二次募集で拾ってもらった。

部室はタバコの吸殻の山。夜中は友人たちとバイクを連ねてレッツラゴー。無意味な高校生活に嫌気がさして退学届を持って行ったのだが、執拗な説得に負けてそれも頓挫。俺何やってんだろうと、悶々とした日々を過ごしていた。

そんな時高校の近くの古本屋で、稲田耕三の『高校放浪記』に出会った。いつもエロ本を物色していた僕の目に、この本が猛烈な存在をアピールしてきたのである。

僕はこの本で覚醒したといっても過言ではない。何故か猛烈に東京に行きたくなった。正確に言うと東京の大学に行きたくなった。身の程知らずもはなはだしいが、その日から僕は中学1年生の英語教科書を引っ張りだしてきて、英語の勉強を始めた。高校2年の春である。

僕が発見した真理。読めない単語や読めない英文は覚えられない。我流の発音でいいから口にだして読む言葉は、暗記が加速する。

自分が理解した単語を利用して、自分流のオリジナルの英文を作ること。英語辞典で、その単語と相性のいい前置詞や単語を織り込んで行くとさらにいい。

テレビと決別した。お陰で読書量が増えた。僕は高校の2年間で500冊近い本を読んだ。ほぼ一日で一冊である。現代文の読解スピードが飛躍的に増した。中途半端な理系人間が、高校3年の春には完璧な文系人間になっていた。

テレビとはその後23歳まで決別したのだが、テレビがいかに思考能力を奪う近代兵器かを痛感した。テレビに洗脳された現代人は、ある種のエネルギーから見放されて行く。

英語長文に関してだけれど、中学3年までの英語教科書を熟読した僕は、仙台の丸善に行って、官能小説つまりエロ小説を買ってきて読んだ。これは飽きること無く長文に親しめた。しかし受験とは関係ない怪しいボキャブラリーが増えたことは言うまでもない。ここでもう一つの真理。中学校の英語力があれば、アメリカのエロ本は十分読める。

頑張れば神様が味方につく経験を僕はした。受験の時は、お金に余裕がなっかたので、入試の前日に夜行列車で東京に向かった。たしか一ノ関夜11時20分発の急行八甲田だった(当時は新幹線はなっかたのです)と思う。

もちろん寝台車ではないので、寝付かれない。ボストンバックから参考書を取り出した。いつもは気にしなかったページが僕を惹きつけた。国際連合の組織の英語だ。IMFとかWHOとかそんなやつだ。それが何の省略なのかをぼ^と眺めていた。『こんなの出されたらOUTだよな~』などと思いつつ、眺めているうちに僕は眠りに落ちていった。

無事に受験会場についた僕は、英語のテスト用紙をめくってびっくりした。出ていたのである。国連組織の省略文字を英語で書けという問題が。僕の受けた大学の入試問題はマークシート式の問題ではなかったので、ここで差がつくことは明白だった。無事に僕はその大学に合格することができた。そして今日の僕がここにいる。

来月から塾屋稼業と平行して、短大での英語指導が始まる。不思議な感覚だ。

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