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2014年1月16日 (木)

本当は働けるのに働かない若者の存在が、働くことが困難な若者の存在を危うくしている

電気、ガス、水道が止められ、冷蔵庫にはマヨネーズなどの空容器のみ……。そんな大阪市の団地の一室で昨年11月中旬、31歳の女性の遺体が発見された。死因は餓死か衰弱死とみられ、死後1~2カ月経っていたという。

報道によると、この女性は約4年前に生活保護の相談で区役所を訪れたものの受給には至らず、最近は「お金がない」と親族に訴えていたという。経済大国といわれる日本だが、餓死や孤立死などの悲惨なニュースは絶えることがない。生活保護に対する風当たりは強まり、行政による窓口対応の問題点も指摘されている。

若者のホームレスが増えている。見た目は小奇麗で普通の生活をしているように見えるが、いわゆる宿なし状態の都会人が急増しているのだという。

実家に頼りたくても、実家が被災したり、この不況の煽りで家計がかんばしくない状況で、頼れる実家がない若者が、ネットカフェや友達のアパートを転々とする日常が生じている。

僕の近隣でも、行方が分からず連絡がとれない若者が増えている。そう言えば私立高校などで、同窓会名簿作成のため、卒業生の実家にはがきを出すと、半数以上が所在不明で戻ってくるらしい。ゆゆしき状況だ。

都会での孤独死は、老人だけの問題かと思っていたが、若者世代の孤独死も出てきている。仕事がないのではなく、仕事につけない若者がいる。なぜだろうか。

身体に現れる障害ならば見てわかるかも知れないが、心の傷や障害はわかりづらい。理解されず、放置される生活困難者も多いのではないだろうか。

「あんたは若いんだから、いくらでも働く場所はあるだろう」そんな言葉を浴びせられたら、ますます殻に閉じこもってしまう。うつ状態に陥ってしまえば、精神論を言われれば言われるほど、一歩が踏み出せなくなってしまう。

生活保護を若者がもらうのはけしからん的な声が多い。しかし国民の基本的人権は守られなければならない。生きる権利は憲法で間違いなく保障されている。

本当に支援されなければならないものが支援されず、困窮したままではいけない。本当は働けるのに働かない若者の存在が、働くことが困難な若者の存在を危うくしてしまっている。

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