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2013年10月10日 (木)

浅田次郎『壬生義士伝』

浅田次郎作『壬生義士伝』を読んだ。学び舎の小林正弘先生がブログで紹介していたので、読んでみた。涙、涙の連続で、困ってしまった。

小説を読んでいてこんなに泣いてしまったのは、人生はじめての経験だ。読み終わった昨日は虚脱状態だった。

飢饉が続く中、妻と子どもに給金を仕送りするために、南部藩を脱藩し、新撰組に入った足軽職の吉村貫一郎という武士の義に生きた物語である。

幕末の混沌の中で、家族の為に生命を顧みない男の生き様に、涙が止まらなかった。家族愛を描いたこれほどの小説があっただろうか。

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家族に対する究極の愛を、浅田次郎はこの作品で描き切った感じがする。小林先生も浅田次郎の文筆力を賞賛されていたが、浅田次郎の文章は凄い。うまいんじゃなくて凄い。

彼の短編はいくつか読んだことがあるが、人間のはかなさ、切なさを、えぐりとってそして癒やそうとする執念を感じる。

この作品にはまいったという感じだ。お父さん方、ぜひ一読してみてください。後半の下巻は、人前で読まないほうがいいかも知れません。きっとハンカチがぐしょぐしょになると思いますので。

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コメント

かねごん先生こんばんは。先日、仕事の帰りに吉村貫一郎とすれ違いました。奥方のしづ様と仲良く手をつないで...。田舎と違いこう言う方達と何度かすれ違うのは場所柄なのでしょう。「壬生義士伝」何度も読みかえし何度もビデオを見ては泣いている僕ですが、先程も帰りの電車で上巻の末尾を読んでいた所でした。一度TVドラマの吉村貫一郎をご覧なって下さい。小説により近いので映画版”中井”貫一郎よりもこちらの方が断然いいと思っております。とりわけ服部武雄との死闘は涙なしには見られません。吉村貫一郎の事を書くと先生のブログより長くなってしまいますので今日はこの辺で。

(かねごん)
shinkunnopapa様コメントを頂きありがとうございます。
ぜひテレビドラマの吉村貫一郎を見てみたいと思います。
それにしても、じんと来る物語ですよね。泣けます。

こんばんは、学び舎です。

この『壬生義士伝』を読むと、一生懸命生きなければいけないなと心から思います。生きていくということは、切なくて、いとしいものですね。

(かねごん)
小林先生のお陰で素晴らしい作品と出会いました。ありがとうございます。
僕はこの物語を読んで、僕の祖先はあの江戸の飢饉の時に、どうやって生命をつないだのだろうと、祖先の困難に想いをはせておりました。
子を思う気持ち、そして妻を思う気持ち、親を思う気持ち。
涙とともに、背筋が伸びました。

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