苦言
大分市のスーパー「マックスバリュ大在店」でアイスクリーム用冷凍ケースに寝そべったとして、大分東署は4日、同市の無職の少年(19)を器物損壊容疑で大分地検に書類送検した。少年は寝そべった画像を短文投稿サイト「ツイッター」に投稿。店側が同署に被害届を提出していた。
容疑は、8月22日午前1時40分ごろ、冷凍ケースに入っていたアイスの上に寝そべり、約10万円分のアイスを廃棄させ、ケースをクリーニング(約3万円)させる損害を与えたとしている。
同署によると、少年は友人4人と同店を訪れていた。翌23日に同署へ出頭。「おもしろ半分でやった。知り合いに見せようと思ってやったらこんな騒ぎになってしまった。反省している」と容疑を認めているという。【佐野格】毎日新聞
アメリカ的なジョークなつもりなのだろうが、自分のやったことがどれだけ迷惑なことなのか、その想像力が欠如した悪ふざけは、現代若者たちの基質を象徴する一連の騒動だと僕は思っていている。
バイトで働いている若者たちの、ストレス発散のツイッター投稿と見る向きもあるが、閉店に追い込まれた店舗が出ていることを考慮すれば、その行為の重大さは自ずと理解できるはずで、幼稚さが顕著である。
昨今の大学生を見ていて強く感じることは、バイトにしてもそうだけれど、労働者をどこかで疎んじているところがある。いずれ自分も社会人として旅立って行く立場であるはずなのに、まるでお殿様か貴族のような風体だ。
大学を卒業する2割の学生が就職がないのではなく、意図的に格上の企業をめざして、就職先がない事を理由に浪人を決め込んでいるのではないだろうかと、僕は勘ぐっている。
世の中が就職困難であることを報じれば報じるほど、仕事につかない言い訳はできやすいわけで、自分の努力の無さを社会のせいにして済ましている若者が多いのではないだろうか。
高校で教鞭をとり塾で高校生を指導しているがゆえに、今どきの大学のレベルはそれなりに掌握しているつもりだ。僕らの頃に比べると、私立大学は存続をかけ猛烈に頑張っている。
いっぽう大学生はどうかというと、はっきり言えば幼稚だ。社会に対して目が向いていない。向けようにも勉強不足で語るすべさえ持っていない。話を聞けば、テレビが報じている世論をそのまま評論家にでもなったようにのたもうている。
これは日本という国が豊かがゆえに、平和ぼけしてしまっているのではなく、日本の教育や政治によって洗脳されてしまった結果だと確信している。
偽りの平等意識。不登校になればすぐに心療内科を紹介して、済ましている学校教育。派遣制度による労働意識の低下。猛烈な給料格差。離婚率の増加。そして政治の偽善。
この状況に立ち向かう若者はいない。自分のことで一杯一杯だ。いま大人社会がやっている日常性が異常なことだとは思っていないのだ。残念だ。
自分が雇ってもらっているコンビニの冷蔵庫に、平気で横たわり写真を貼ることができるのも、彼らにとっては普通なことなのだろう。なぜならそれ以上ひどいことを、政治や教育が行ってきたからだ。
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