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2013年8月 3日 (土)

ジャズは最高だ

高校時代僕をジャズの世界に導いたのはビリー・ジョエルだ。彼のジャンルはもちろんジャズではないが、そこはかとないジャジーなメロディーが僕をモダンジャズの世界に引きずり込んでいった。

僕はジャズと出逢うことがなかったならば、英語を教えることも、文章を書くことを趣味とすることもなかっただろうと思う。

かつて教え子に、先生はどうしてジャズが好きなんですかと聞かれたことがあるが、神様が存在する証拠はなんですかと尋ねられることと同じくらい、難しい質問だ。

ジャズのリズムが、自分の血液の中に隠れ潜んでいる太古の記憶をよみがえらせてくれているような、そんな感覚に陥る時がある。そしてジャズという音楽によって、言語感覚を司っている脳みその部位が、解き放たれていくようなそんな感じを抱いてきた。

語学も文章を書くこともリズムだ。そのリズムを培ったのが、青春時代だった気がする。高校時代も大学生の時も、僕は勉強が大嫌いで、本を読むことと音楽を聞くことで全ての義務から逃避していた。厄介なことがあると、読書をすることで、現実から逃げまくっていた。ギターを覚えてからは、逃避する手段が更に増えてしまい、僕は孤独な戯れに終始して行った。

一人っ子である僕は、もちろん兄弟などいなかったので、一人遊びに飽きると知らず知らずのうちに本のページをめくっていた。そんな僕の孤独癖を青年期になって助長させたのが更にジャズだった。

大学時代の退屈な講義中でも、社会人になってからのルーティン化した会議の中でも、僕の頭の中では、お気に入りのジャズが鳴り響いていた。僕にとってはウオークマンは必要なかった。瞬時にキースジャレットのピアノや、ジョン・コルトレーンのサックスが頭のなかのスピーカーから鳴り出した。

譜面が書けないどころか読めもしない僕が、曲を書けるのは、きっとジャズで鍛えられた頭のなかの聴覚によるものだろうと思う。

ジャズは最高だ。この世にジャズがあることに、僕は心から感謝する。

・・・・・やあジャズはいい。

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