塾の震災前と震災後
8月を迎え、塾生の在籍数が例年の数に達したが、どうも教室に余裕があるというのか、突然空白的な時間が教室に訪れる。怪我の功名という訳ではないが、受験関係の本や、今まで読みたいと思っていた本が結構読むことが出来ている。それどころか、教室でスピーカーまで作る今日この頃だ(苦笑い)。
3・11の震災前は、受験学年のほとんどが週2の指導だったが、震災以後は週1の指導の生徒が主流になっている。実質的延べ人数は震災前の半分近くだ。内部生の春期や夏期講習の受講率も震災前の3分の1になっている。
しかしである。震災後のこの大変な状況の中で、僕のような零細個人塾に子どもを預けてくださっている保護者の皆様には、感謝しても感謝しきれない思いで一杯だ。塾を存続できていること自体が奇跡だと思っている。
僕の塾には裏メニューで究極の毎日コースというのがある。月曜から土曜日まで、毎日90分の指導で月謝が24000円、2時間毎日コースで32000円コースだ。このコースはウエーブ上ではちょこっと書いているが、塾のチラシには乗っけていない。
震災後はこのコースの受講生はいない。ほとんどが週1の月謝5000円コースだ。「かねごん先生の塾は安すぎますよ」という声を保護者の方から多く頂く。
「じゃ月謝を倍にしていんですか」と冗談紛れに尋ねると、それは困ると言う(笑い)。
今は本当にお金がかかる時代だ。家族全員がケータイを持ち、子どもを大学に入れなければ就職も難しい時代だ。原発の事故があってからは電気代も軒並み上がっている。円相場の不安定さが原因でガソリンをはじめとする燃料費が高騰し続けている。
お父さん方の給料も上がらない。公務員以外は、ボーナスもまともにでない状況がずっと続いている。どこの出費を抑えるかと言えば、それはケータイでもなくゲーム機ソフトでもなく、飲み代もなく、塾などの二次的教育費だ。震災後のこの地域に於いてはごく普通の選択肢だろうと僕は思っている。
そんな状況でも、生徒数が震災前と変わらない生徒がいてくれることに本当に感謝だ。生き残りをかけた塾業界の戦いはまだまだ続きそうだが、できれば蚊帳の外にいたいと願うかねごんである。
« アンパンマンのお絵かき帳が塾での必需品 | トップページ | 憲法改正はナチス政権を参考に »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- せっかくの人生だもんね(2018.07.05)
- 長旅から帰ってまいりました(2018.05.04)
- 神様を信じている人と信じていない人の違い(2018.04.26)
- 4761回目のつぶやき(2018.04.11)
- 流転(2018.03.25)
コメント