暴力は最低だ
大阪市立桜宮高校2年の男子生徒(17)が、所属していたバスケットボール部顧問の男性教諭(47)の体罰を苦に自殺したとされる問題で、この生徒の他にも21人が教諭から体罰を受けたことがあると同校のアンケートに答えていたことが8日、分かった。市教委が発表した。
大阪府警は、男子生徒への体罰が傷害などに当たる可能性もあるとみて捜査を始め、教諭や関係者らから事情を聴くなどして当時の経緯を調べる。
市教委によると、同校は男子生徒が死亡した4日後の昨年12月27日、男性教諭が顧問を務める男女のバスケットボール部の部員50人(男子20人、女子30人)にアンケート調査を実施。このうち21人(男子12人、女子9人)が殴られたり、たたかれたりしたことがあると回答した。
教諭が誰かに体罰を加えているのを見たことがあると答えたのは48人。体罰の中身は「ビンタ」と「たたく」が大半を占めた。無記名式のアンケートだったが、時期など具体的なことはほとんど書かれていなかったという。
この教諭に関しては昨年度、体罰を行っているとの情報があったにもかかわらず、市教委は「体罰はなかった」と同校から報告を受け、そのままにしていた。
市教委は今回のアンケート結果を受け、「慎重な調査が必要。日常的な体罰と確定することはできないが、否定もできない」との見解を示した。既に弁護士らで構成する外部監察チームに調査を依頼したという。
私立高校は存続をかけ、スポーツに力を入れている。野球やバレー、体操、ラグビー、バスケットなどなど。僕はそういった体質を批判はしない。スポーツは人間を鍛える最強のアイテムの一つだと思っている。
表現は適正じゃないかもしれないが、学力で勝負ができない私学は、スポーツで子どもたちの覚醒を促すことを主眼に置く。多くの子どもたちが救われていく。しかし残念ながら、指導者の人間性によっては、その事自体が問題を引き起こす要因になる。
全国大会の常連校の部活顧問の先生や監督の先生は、学校の看板を背負っているゆえに、権力を持つ。学校によっては学校長よりも実質の権力を有し、発言力を持つ教諭もいる。
優勝監督の先生のトレードには多額の金銭のやり取りが囁かれることもしばしばだ。生徒や学校のためにではなく、自分の名誉のために生徒を捨て駒のごとく考えている輩もいることは事実だ。
僕も部活のコーチを長年やってきたが、指導者には実に様々な方がいる。10年以上前の話だが、「就職だろうが進学だろうが私が責任持ってお子さんの進路を面倒見ます」と言って、途中で居なくなってしまった指導者いた。
愛を持っている指導者なら、暴力を振るわない。振るえないはずだ。言葉で伝わらないのなら、それは指導者である前に、人間性に問題がある。授業中の暴力はいけないが、部活ではやっていいという変な信念を持っている先生がたまにいるが、お門違いも甚だしい。
僕は10歳から高校3年まで卓球をやったが(実は50を過ぎた今でも試合にでてるが・・)、監督やコーチに殴られたことも無いし、怒鳴られたこともなかった。理路整然と卓球の理論や、技術の指導をしていただいた。感謝をしている。
きっと暴力をふるう指導者は、暴力的な指導をされてきた経験を有するのだろうと思う。家庭内暴力を受けた子どもが、大人になって無意識に暴力を振るうのと同じ精神構造なのだろうと思う。とても残念だ。
「口で言ってもわからない奴には、身体で覚えさせるしかない」というフレーズをたまに耳にするが、暴力や恫喝で鼓舞された肉体や精神などは、時限爆弾と同じで、何も残らない。破壊尽くされて終わりだ。
言葉はすさましいパワーを持っている。言葉で生徒を鼓舞できない、指導できないとしたならば、指導者を辞めるべきである。暴力に走るのは最低だ。
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体育大卒の知人女性は、中学のバレー部時代たびたびビンタをされ時には頬が腫れるほどだったそうです。顧問は、ほとんどの部員にビンタをしていたけど気の弱いタイプの部員数人には手を上げなかったそうです。負けん気の強い彼女は、顧問の体罰に負けなかったようです。また、強豪校ほど、激しい体罰は多いし場合によってはしょうがないと話ていましたが共感はできませんでした。戦時中や戦後すぐの頃は親や教師らの子どもに対する激しい体罰があったのかもしれません。しかし、現代の生徒やその親たちは日常的に体罰を受けて育っていない世代のはずです。亡くなった生徒は1日に30~40発のビンタをくらったそうですが往復ビンタでも数十回です。信頼関係はあったのでしょうか。十年以上当該校にいた顧問に慢心はなかったのか。校長や学校側は生徒に対する責任感はあったのか。今回以外にも部活中の体罰と顧問からの脅し(退部するなら今後卒業校から生徒の入部は許さないなど)で自ら命を絶った生徒もいます。恐怖によって視野が縛られ自分自身を見失ってしまうかもしれません。しかし、数年間の部活に大切な命と一生を捨ててしまうのはあまりにも取り返しがつきません。生きてさえいれば、楽しいことや色んな経験ができます。かつて福岡県の高校陸上指導においてモチベーションを上げる独自の指導で沢山の成果をあげた大ぼら先生こと瀬口俊光氏は体罰をせずに全国大会優勝者や大型選手を輩出しています。
(かねごん)
たんた様こんばんは。
休息宣言のはずが、こんな哀しい、信じられない学校での出来事に、書かずにいられなくなりました。
まさにたんた様のおっしゃる通りです。
投稿: たんた | 2013年1月11日 (金) 20時05分