喪失
今の時代のように、映像やディスプレーがリアルになればなるほど、僕らの現実は希薄になって行く。
バーチャルな世界に逃げ込んでいく若者が増えていく中、彼らにとっての現実社会は、逆に架空の世界に見えているのかも知れない。
想像力は遮断され、想いのベクトルは常に同一方向を向く若者たち。彼らの夢や想いは、僕らが思うほどに多様ではない。そこに挫折感の均一化が生まれてしまう。個性が消滅する土壌が出来ていく。
同じジャージを身にまとい、同じ音楽を聞き、同じマンガを読み、同じようなジョークを連発する。情報によって多様化しているつもりが、感性の扉が閉じられていく。
熱いお湯にカエルが飛び込むと、即座に逃げ出すが、水から温められていくお湯の中では、カエルは逃げるタイミングを失いやがて死んでいく。
目に見えない微弱な電波と磁力に、僕らの脳みそは少しずつ乖離していく。現実という世界から。
毎日印字される紙切れの文字や、テレビから垂れ流しにされる映像を鵜呑みにしてはいけない。
受験勉強や仕事に追われ、生きるための本質を喪失してはいけない。声を持つ人格者に耳を傾けなければならない。今こそ古人(いにしえびと)の書に、心を傾けるべきではないだろうか。
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