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2012年9月 9日 (日)

ぼやきブログ

ついに一昨年のお米がなくなった。

百姓をやっているのに、スーパーでお米を買ってきた。

北海道米の『きらら』。

レジにお米をぶら下げて並んでいたら、なんか泣きたくなってきた。

「俺、百姓だよな」

「なんで九州の野菜を買ったり、北海道のお米を買ったりしなきゃいけないんだろう」

安全ですだと。

ばかやろう!

そう呟いて僕は財布からお金を取り出した。

百姓仕事でなんとか20年間賄ってきた家計は、火の車だ。

22年間乗り続けてきた軽トラックは、11月に10回めの車検がやってくる。

新しい車を買いたいのはやまやまだ。

でもお金がない。

毎日寝る暇も惜しんで働いてるのにお金がない。

塾は儲かるだろうだって。

被災地の田舎の塾はどこも青息吐息だ。

塾長先生方はみんなバイトにいそしんでいるよ。

でもね。

塾で学んでいる生徒には関係ないことだよ。

一生懸命勉強してもらって、合格に導くのが僕らプロの仕事だ。

たまたまでっかい地震がやって来て、津波が襲って、そして放射能がばらまかれちまったけど、悔しいくらい穏やかな日常が過ぎていく。

なんだろうこの感覚は。

福島も宮城も岩手も、街を歩くと、海岸線以外は数年前と何ら変わらない風景だ。

でもやっぱり何かが違う。

うまく言えないけど、違う。

空気が重いんだよ。

魂のため息が聞こえてきそうな空気って言ったらいいのかな。

どんよりしている。

この空気感のなかで、子どもたちを鼓舞するのは正直しんどい。

でも行動を起こさない限り次のステップは生まれては来ない。

今夜、家族ときららを食べながら、僕はそんなことを考えていた。

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