東京女学館大学の閉校
東京女学館大(東京都町田市)が来年度から学生募集を停止し、4年後に閉校する方針を示したことに対し、学生や保護者の間に反発が広がっている。少子化に伴い学生確保が厳しさを増し、私立大は苦しい経営を強いられている。地方に端を発した「閉校」の波が首都圏まで及んだ格好で、他大学への波及も懸念されている。
「存続に前向きになってほしい」。先月12日、東京女学館大で開かれた保護者向け説明会で、学生や保護者の不満が爆発した。出席者によると、約150人が参加し、運営する学校法人「東京女学館」の福原孝明理事長(同大の学長を兼務)らに疑問をぶつけた。
同法人が運営する小中高校(東京都渋谷区)は名門女子校として知られ、今後も継続する。だが大学は短大を母体として02年度に開校したものの、毎年定員割れが続き、累積赤字は約25億円。学校側は4月21日の理事会で募集停止を決議し、24日に文部科学省に届け出た。在学生(264人)が卒業する16年3月に閉校する予定という。
文科省は「募集停止は経営判断」と方針を尊重する一方で、学校側に「閉校への具体的な計画を示すなど理解を得るように」と促した。学生、保護者と卒業生有志は5月30日、都内で「存続させる会」を結成。署名活動を進めている。こうした動きに同法人は「大学関係者を中心に説明している最中で回答を控えたい」とコメントしている。毎日新聞
危惧していた事態がいよいよ始まったという感じだ。関東や東京の私立大学への進学希望者が、地方において激減している。理由は経済的理由だ。
生活費と学費を含め、4年間で1千万円が飛んでいくと言われる昨今、親の経済負担は計り知れない。大学のレベル云々の前に、自宅から通える地方の私大が逆に生徒を確保し始めている。
東京女学館と言えば、かつては名門の女子大学である。累積赤字が25億円と聞いて、驚きもさることながら、他の私大も厳しい経営状況なのだろうということは、想像に難くない。
私立大学の受験料が、ドル箱だった時代は終焉した。AO入試が主流になり、いわゆる記念受験や冒険受験がなくなった。一回の受験料が4万年、5大学を受験すれば、20万円が飛んでいく。バブルの頃は、10大学を受けた生徒もいたものだが、近頃は堅実な生徒が増えた。
震災が起きて、東北の経済は厳しい状況下だ。東京の直下型地震が懸念される今、関東の大学への進学希望が増えるとは思わない。
時代に即した授業料の設定や、奨学金の整備が急務だろう。私立大学の生き残りをかけた戦いはこれからが正念場だ。我々塾業界も冬の時代から氷河期の時代に入った。雪解けを待っていたら廃業するしかない。頑張らなければ。
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