一見何事もなかったような町の風景の中で
東日本大震災後の社会不安の高まりを受けて、国の補助金で3月にスタートした無料相談ダイヤルに電話が殺到し、開設2か月あまりでパンク寸前となっている。
「死にたい」「5日間何も食べていない」など深刻な悩みも多く、厳しい世相を反映している。
一般社団法人「社会的包摂サポートセンター」(本部・東京)が行う24時間対応の「よりそいホットライン」。貧困、失業、いじめなどあらゆる悩みを1か所で受け止めるワンストップ型の支援が好評で、1日約2万件の電話に対し、つながるのは1200件程度だ。
全国38か所の支援拠点で、午前10時~午後10時は計30回線、深夜・早朝も計10回線を用意。1回線に2人の相談員がつき、計約1200人が交代で対応する。活動に協力する各地の弁護士などが必要に応じて助言。命に関わる場合には、福祉団体などの支援員が相談者のもとへ駆けつける。
インターネット上の口コミなどで存在が周知され、今では平均20回かけてやっと通じる状態だ。
相談の7割は生活上の悩みで、30~50歳代からの電話が多い。「失業して家を失った」「生きていてもしょうがない」「誰かと話がしたかった」など、貧困や孤独を訴える声が目立つ。
失業して生活保護を申請中という30歳代の男性は、「所持金が底をつき、何日も食べていない」と助けを求めてきた。衰弱した様子で、「命に関わる」と判断した相談員は、支援員に連絡して食料を届けた。「どこに相談しても、誰も助けてくれなかった」と、男性から感謝された。(読売新聞)
震災による失業に対しての失業保険の給付が終了し、再就職できないでいる人達の生活が困窮している。
一見なに事もなかったような町の風景のなかで、実は深刻な貧困が進行している。高校の授業料が払えない。税金が払えない。給食費が払えない。大きく取り上げられないが、生活の実態は大変だ。
生活保護の支給もそうだが、経済支援に携わっている公務員の方々の意識が、どうも深刻さを真摯に受け止めていない気がする。
年収が100万円に満たない生活がどういうものであるのか。ボーナスが全く当てにできない生活がどういうものであるのか、想像力が欠如しているのではないだろうか。
日本人の中には、お金が稼げないのは自己責任だという思考がある。その思考がきっと勤勉さに繋がって来たのかも知れないが、弱者を見捨ててきたことも事実だ。
競争原理を崇拝してきた日本人の体質を、変えなければいけない時期に来ている。
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