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2012年2月 8日 (水)

人は魂の旅人

人はなかなか自分の所有しているものを手放せません。地位、名誉、お金、そして命。

すべては自然の恵、神様から頂いたものですが、まるで自分の力、自分の業だけで手に入れたような錯覚に陥り、無くなるとうろたえ苦しみます。

足ることを知る。僕は大切なことだと思います。

毎年この時期、来期の事業を展開するにあたり、月謝の金額をどうするかという話題が、社長である家内と議論になります。

僕の塾は週1回90分の集団個別で月謝が5000円です。たとえ生徒が70人来ていただいても、35万円、そこから教室の家賃やら光熱費やら種々のレンタル料を支払うと、手元に残るのは15万円ほど。生活の不足分は、農業をやったり、私立高校で講師をやったり、どうにか食いつないでいます。

ひょっとすると、もう少し高くても生徒は来てくれるかも知れません。しかしこの料金だから塾に通わせられるというご家庭も多いと思います。

僕の町では、多くの人達の暮らしが大変です。立派な家に住み、いい車に乗っている人もいますが、いわゆる『公』が付く職業の人達です。

年収が300万円に満たないお父さん方が増えています。子どもを大学に入れることもままならないご家庭も多いです。かと言って仕事があるかというと市内には求人もありません。

しかし冷静に考えてみれば、僕らが子供時代も同じ状況でした。どの家も貧しく、多くの若者たちは中学校を終えると、関東に集団就職で出て行きました。地元に仕事がありませんでした。

そのことを考えれば、若者たちはほとんどが高校に入れますし、選ばなければ日本全国に仕事はあります。希望は無くはありません。

人は魂の旅人だと僕は思っています。

今生の人生で、自然を汚し、私欲を貪った者は、来世でその責務を負わなければならないでしょう。星は巡り、撒いた種は自分で刈らねばなりません。

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