お金のありがたさと怖さ
塾生がたまに僕の出身高校を聞いてくる。◯◯高校だよ言うと、目をパチクリしている。きっと超有名進学校の名前でも出てくるのかと思ったに違いない(爆笑)。
期待を裏切るようで申し訳ないが、当時、名前さえ書いてくれば受かるなどと揶揄された私立高校を僕は出ている。
勉強はしなかったけれど、大切なことを僕はそこで学んだ。それは勉強とは自分でやるものだということ、お金は自分で稼ぐものだということだ。至極当然のことではあるが、青二才の僕にとっては大きな学びだった。
高校の教科書をやらない授業が多かった。正確に言うと、高校の教科書に入れなかったのだろうと思う。先生方には失礼だったが、授業中はほとんど小説を読んでいた。
決して僕が優秀で授業を無視したわけではない。中学校の内容はとりあえず理解していたので、聞く必要がなかったと思っただけである。
高校の授業料を自分で払わなければならなかった僕は、読書をするために高校に来ているんじゃないと思い、前にも書いたが、退学届を持っていった。2度却下された。その却下してくれた担任の先生とは今だに交流がある。
小説を読んでてもいいから学校を続けなさい。そんな説得だった。お陰で随分と本は読めた。
高校生のバイトの有無については、賛否両論があるだろうが、自分の経験を言わせてもらえば、高校生には是非とも労働体験をさせるべきだと思う。バイトをやって生活が乱れるという意見もあるだろうが、そういう生徒はバイトをやらなくても乱れるものだ。
1000円というお金を稼ぐことがどれだけ大変なことかを体験で知ることは大切なことだと思う。何度も頭を下げ、何度も嫌な思いをし、そしてお金のありがたさと怖さを覚えていく。
勉強は高校生の本分である。しかし教科書の内容を理解しないまま社会に出ていく生徒がいかに多いことか。そのことを逆にエネルーギーにして、人生を切り開いていく若者はいいとして、挫折感だけを味わってしまう若者にとっては、辛い場所ではないだろうか。
部活もしない、勉強もしない、せめて労働の尊さを味わってもらいたいものだ。
大卒の初任給の平均が20万円を超えているという。一方田舎での高卒の給料は12万円ほどだ。学歴格差を乗り越えるには、やはり人より努力する日々の姿勢が大事だと思う。机上の学問で勝負出来なければ、違う世界で頑張れば良い。当たり前のことだけれども、そのことを忘れている若者が多い。
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