熱意に負けた
高校での定期テストの監督を終え、職員室に戻ろうとした僕の所へ、卓球部の男子生徒が走ってきた。僕の前に立ち止まると深々と頭を下げ「かねごん先生、僕達に卓球を教えて頂きけませんか」と言ってきた。
高校の部活動は夕方の4時に始まる。僕が塾での指導を始める時間と重なる時間なので、平日の指導は無理なのだが、彼の真剣な眼差しが僕の胸にドキンドキンと突き刺さる。
僕は日曜日は地元の中学の男子卓球部のコーチをしている。分身の術でも使わなかぎり高校の指導は厳しい。
「午前授業などで午後の早い部活の時間なら顔を出してあげるよ」
彼の熱意に負けて返事をしていた僕がいた。
そして昨日はその午前授業で、初の指導日となった。顧問の先生に紹介をして頂き、1時間半ほどの指導を行った。
大会に出て、思うようにプレーが出来なかったもどかしさがあったのだろう。僕の英語の授業以上に真剣に耳を傾けてくれた(笑い)。
僕の指導方法は、生徒と一緒にプレーをして、僕流の卓球の流れやリズムを体得してもらい、体で覚えてもらうことだ。卓球理論などというものは持ちあわせていない。
50歳を越えた老体には、その指導方法も年々厳しくなってきた。自分自身が思うように動けなくなったなら、卓球指導の引退の潮時だと思っている。
3月11日、そして4月7日の地震で、一関市内のほとんどの体育館が夏まで使用出来なかった。大会も少なかった。今年は岩手県内、プレハブの練習場で卓球を練習している高校生も多い。僕が行っている高校もそうだ。
昨日指導した生徒には、祖母を津波でなくした生徒もいる。ボールを一生懸命打ち込む若者たちの姿に、いつにない感動を覚えたかねごんであった。
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