振り子は少しの風でも揺れ動くものだ
『内容が正しいとしても、不必要に他人を煽るのは良くないですよ』
匿名さんという方からもらったコメントだ。実はあえて公開しなかった。
頭に来て公開しなかった分けでも、無視したかったわけでもない。僕が向きあうべき何か大切なことを教えてくれているコメントのような気がして、簡単にレスが書けなかった。
正しいことってなんだろうか。人の役に立つこと、人を幸せにすること、人を豊かにすること、いろんなフレーズが僕の脳裡でリフレインしていた。ひょっとしたら、人が普通に暮らせることを持続させることだろうか。そんなことを考えていた。そして4年間每日駄文を書いてきた、自分自身の存在価値みたいなものの希薄さを、しみじみと感じる僕がいた。
每日放射能の警告を書き続ける先生方がいる。反原発ブログ記事を每日収集しウェブで拡散している方もいる。一方政府の手下となり、反原発の過激twitterやブログを監視し、ユーチューブや写真を消去することに躍起になっている業者もいる。
それぞれの立場からすれば、みんな正しいことをしているのかも知れない。いやきっとそうだろう。
「一部のポイントから10マイクロシーベルトの値が出て、そこで生徒が亡くなったなんて証拠もないのに書かないでくれ。こっちはその値が日常化している所で必死で頑張っているんだ。煽らないでくれ」
福島の方から頂いたメールだ。このコメントも公開しなかった。上記と同じ理由で、レスが書けなかった。
なにも知らないまま普通に暮らし、食べ、そして飲んでいる方に、「ひょっとしたらそれは危険ですよ」と言うことが、間違った事なのだろうか。
「国が安全だと言っているのだから、それで良いだろう。余計なことをしないでくれ」と言うことは、正しいことかも知れない。そしてそういったことに違和感を持つ方の反応も正しいのだ。
誰もが全く心がブレないということはない。振り子は少しの風でも揺れ動くものだ。その揺れが正しい方向に動いたときは、必ずサインや兆候があるものだ。僕はそれを信じている。
« 因果関係がない | トップページ | 平穏な塾ブログに戻ることはないかも知れない »
でも、私は先生が煽ってくださってるからこそ日々気を引き締めてます。
色んな警告を有り難く拝見しています。 あの事故後、子どもの顔にクマがはっきりとでています。
数日前は、白いカエル、オレンジ色のでかい蛾を見ました。
なるようにしかならないと言う人もいるけれど、色んな情報をシェアして決して諦めてはいけないと思います。
(かねごん)
一関人様コメントを頂きありがとうございます。
今回何人かのお医者さんからもメールを頂きました。やはり賛否両論でした。
いくら本を読んでも、いくらいろんな講演に出かけていって知識が増えても、この見えない放射能の実態を捉えることは難しいことです。
なぜなら経験知がありません。煽るなと言う気持ちも痛いほど分かります。皆さんの生活があります。
チェルノブイリ原発事故の教訓をなぜ皆がシェアーしようとしないのでしょうか。
きっと現実を見ることが怖いんだと思います。
投稿: 一関人です | 2011年10月31日 (月) 23時58分
貴殿のブログ内容は、煽りではありません。
今後の被害を減らすためにも異変を伝え続けていくことは大事なことだと思います。
一関市内各学校の地上1cm放射線量の高さにはとても驚きました。
(かねごん)
かく様コメントを頂きありがとうございます。
何度か、書くことをやめようと思いました。しかしそのたびに多くの励ましを頂いて来ました。「書き続けてくれと」
一関市民の方々の声が僕の背中を押してくれています。
粛々と書き続けたいと思います。
投稿: かく | 2011年11月 1日 (火) 00時30分
最初に紹介されたコメントは典型的なパターンですね。
善人の心理につけこんだ悪質なものです。
電事連は物凄い金をかけて工作してますよ。
電力会社というものは世論工作が主な仕事だったと
もう皆よく分かったと思います。
中には自主的にやっている愚か者もいますが。
今は情報戦という戦いの中に私達は居るのです。
情報戦をしかけている連中の上は大衆心理の操作にかけてはプロ中のプロです。
日本人は良い人ばかりでこうした攻撃に極めて弱い。
何より気持ちで決して負けてはいけません。
諦めを導き出すのが連中のゴールですから。
長い戦いになるのは明らかですから
私達は必要以上に気負わず正直な思いを
事実を添えて言葉に出すだけです。
今あなたがブログを通じて経験している事は
子供達にも適切に教えてあげなくてはならない大切な事。
そういう時代に変化しただけなのだと思います。
(もちろん無理して教える類のものではありませんし確かに難しい問題ですがね)
(かねごん)
人類様コメント頂きありがとうございます。
誰が発しているコメントなのか知る由もないので、人類さんが申し上げていることが、どのような状況になっているのかは、正直僕はわかりません。
しかし、何かの作為を感じるコメントはたくさんありました。
貴重なご意見ありがとうございます。
投稿: 人類 | 2011年11月 1日 (火) 02時03分
おはようございます。
かねごん先生毎日ブログみてます。
私は花泉町永井から北海道に避難しています。
夫婦で仕事もやめ、子供達を転校させて、戻れるかどうかわからないまま、とにかく放射能の少ない所に子供達を連れて行かなけれならないという気持ちだけでこちらに来ました。
どこでも生きていける。
先生がブログに書いてくれたとおりです。
不安いっぱいで勢いだけで来たんだけどなんとかなってます。子供達が外で元気に走り回ってて遊んでる姿を見れるだけで幸せです。仕事も捨ててきました。友達も両親もおいてきました。その気持ちに押し潰されそうな時もあるけど、今は前だけむいていきます。
これからも一関市の貴重な情報をよろしくお願いします。
(かねごん)
小野寺様コメントを頂きありがとうございます。
大変な決断だっと思います。
県や市の対応が迅速であったならば、多くの市民の方々が、不安と危機に苛まれることもこれほどではなかったと思います。
「この町に住んでいていんでしょうか」
多くの市民の方から寄せられる言葉です。僕は一介の塾教師です。医者でもありませんし、放射能の専門家でもありません。
江戸時代から続いてきた田畑を耕しながら、3.11以降子どもたちの健康状態を眺めていると、間違いなくい様々な異変が起きています。
その異変を気のせいだけで済ますわけにはいきません。
投稿: 小野寺淳子 | 2011年11月 1日 (火) 05時56分
かねごん様
煽る煽らないということではなく
正しい正しくないとは別にして
この事に対する抗議はかねごんさんにではなく
放射能をばらまいた東電にするべきだと
思います。
あと10マイクロシーベルトを放置するどころか
指摘されて逆ギレしている市長にも責任有だと思う。
かねごんさん、頑張って下さい。
心無いメール等に傷付かれませんように。
応援しています。
(かねごん)
群馬県民様、コメントに感謝申し上げます。
一関市がこんな事で有名になることは本意ではありませんが、あまりにも最初の一歩が遅すぎました。残念です。
投稿: 群馬県民 | 2011年11月 1日 (火) 12時21分
かねごん先生、いつもお疲れさまです。
放射能が如何に危険か、何の食品が数値が高いか…確かに声をあげてもらう事は大切だと思います。
それと同時に先生はいろいろと大変だとも思います。
しかし一方では、煽らないで欲しいと思う気持ちも解る気がします。
幾ら牛乳がセシウム濃度が高く危険だょ!
と言われても、育ち盛りの子供から『お母さん牛乳いっぱい飲みたい』
と言われれば、母親として飲ませない訳にはいかないです。
カルシウムなら他の食品からも摂取は可能ですが…好きな物を『駄目!危ないから』と、説明しても分かる年頃ではないですし、ひもじい思いもさせたくはない…という気持ちも正直なとこです。
危険な事を認識する事も大切ですが…時にはその人によって何を優先するか…だと思います。
拙い文章で、すみません。
ただ何か自分の気持ちを少し書きたくて、コメントしたので、返答はいりません。
(かねごん)
流れ星さんの気持ちは痛いほど分かります。
国が発表している食品のセシウムの値が分かっても、それがどのようなレベルで、影響がどうなのかは、本当は数字以外のことは誰も知りません。それが放射能です。
やるせないです。
投稿: 流れ星☆彡 | 2011年11月 1日 (火) 14時06分
医師や専門家が言うことがおおよそ正しい、政府が出す情報が正しい、とか多数が賛同しているから正しい、とか何が正しくて何が間違っているのか、あるいはだいたい正しいとか、どちらでもないとか、これは正しいけど、こっちは当てはまらないとか、簡単に正解はわからないと思います。
きっと個人個人が、本能とか、経験的にとか、専門的情報によりとか、昔からそうだったからとか、信用している人がそういうからとか、色々な見解を持っていて、そしてその思いを持ちながらも、本意で生活していたり、不本意ながら受け入れていたり、迷いながら生活していると思います。
因果関係がないから、データーがないから、専門機関が判断した結果だから、という結論に簡単に納得できないこともあります。結果、誰にも正解はわからかった。でも、悲しむ人や辛い思いをする人が出てしまった。ということも。
他人に迷惑をかけてはいけないけれど、他人に遠慮して何かを失うことは悲しい。
失うものがどれだけ大きいか、失ってもしょうがない他にかえられるものなのか。
完全なものなどないし、完全な人もいないと思います。
間違ったり、迷惑をかけたり。
いつも謙虚な心と思いやりを持って、大切なものを皆で大事にする気持ちになれればと思います。
(かねごん)
たんたさんの気持ちは分かりますよ。
誰も完全な人間なんていません。迷って迷って、とことん迷いながら生きていますよね。僕もそうです。間違いなく・・・。
投稿: たんた | 2011年11月 1日 (火) 20時53分
こんばんは。
今日は青空を眺めながら、「このきれいな空も汚染されているんだろうか」と信じられない気持ちでおりました。
今日は風が西に向かっておりましたので・・・。
きっと福島の方たちもそんな思いで眺めているのではと思います。
人は信じたいことを信じるのだと思います。
国に「安全です。安心してください。」と言われたい人達はそれで平和に暮らしていけるのでしょうが、私はそういった抽象的な言葉は欲しくないのです。
今現在どうなっていて、何が起こっていて、危険性はどのくらいあって、どうしたら防げるのか。そういう情報が欲しいと思うのです。
それが例え知るのがつらいほどの話でも。
自分の人生は自分に責任があります。
そして子どもの人生にも・・・。
今はそんなに幸せな時代ではないのだと思います。
でも、幸いなことに、こうして多くの人々が情報を共有する術があります。
せめてそういう利点を最大限活かしていければ、この時代も悪いところばかりでもないと思っています。
この先に光が見えるその日まで・・・。
あきらめない、投げ出さない。
あきらめなければ夢は必ず叶うと信じます。
(かねごん)
しろ様コメントを頂きありがとうございます。
しろさんの言葉に元気を頂きました。ありがとうございます。
投稿: しろ | 2011年11月 1日 (火) 21時34分
今週になって初めてブログ拝見しました、東京都港区の住人です。8才と9才の子供の母親です。かねごんさんのブログは全く煽ってません。データと事実を述べてくれてるだけ。真実を言う権利は、それで不安になる人がいても、誰にも奪えません。こちらのブログのトーンは煽りからはほど遠いです。安心して頑張ってください。東京港区でも他人事じゃないです。尿検査したら子供の内一人はセシウム検出。
体内にセシウム取り込んでいて、内部被曝してます。普通に生活していたら体内にセシウムが入ってしまうような環境に、東日本の広域でなってしまってるんですね。5-6月頃、風の強い日の後はしばらく口の中が気持ち悪く味覚が麻痺した感じが続きました。また2、3日前、木枯らしが吹いた頃からその感覚が戻ってきてます。マスクしないと。。。(でも子供ってマスクしてくれないんですよね。。。頑張ります。)ブログ頑張ってくださいね!
(かねごん)
Tama様コメントを頂きありがとうございます。
岩手の小さな町の小さな塾屋が、シャシャリ出てしまった気がしないではありませんが、『書き続けて下さい』と言う励ましの声に後押しされ、なんとか頑張っております。
応援メッセージ心より感謝申しあげます。
投稿: Tama | 2011年11月 2日 (水) 00時17分
何が正しいか・・・は判断が難しいところだと思うのですが、今情報を発信する事で少しでも警戒する人が増えてマスコミに騙される人が減るなら人口の減少を少しでも止めることが出来るし大事な事だと思います
私は広島市内の人間です。 放射能の被害は今は少ないと思います。 5年、10年経ったら分かる、それは原爆からの経験論です。 政府とマスコミに騙されてる人が多すぎるので、警戒してたら変人扱いですが、10年後に分かっても遅いと思うのですが・・・ 政府の言う「直ちに健康被害は出ない」のはそうかもですが、5年から10年経ったらどうかは分らないよ~ってのがほんとのとこだと思います 今の政府はその頃には政府ではないはずなので、責任感じる必要がないから呑気なものです
信用できるのは政府やマスコミではなくて自分の考えと客観的な情報だと思います 原爆、チェルノブイリをしっかり調べましょう マスコミはお金の味方で国民の味方ではないのですよ・・・
(かねごん)
tomokoさんコメントを頂きありがとうございます。
情報の格差が生じています。
何も知らない安堵感が、危機的な状況を作らないことを祈願しています。
投稿: tomoko | 2011年11月 2日 (水) 00時25分
毎日読ませていただいております。
私は盛岡市出身で、震災の半年前に旦那の出身地である福島へ移住。2人の子供がおります。
先日、小児科で初めて原発事故の話になり相談しました。家の中(居間)で0.5μだと言ったら鼻で笑われ、胸のレントゲンは20μだよ。何分の1?と笑われました。
私達が心配しているのは、1時間では何分の1でも、一年では結果的に何十回ものレントゲンを子供にさせるような生活を、何十年もしなきゃいけないということ。
地域の対応にも疑問を感じ、今は移住しました。
悲しいです。
一関の件も、本当に悲しかった。
自分の直感しか…それしか信じれなくなってしまった日本に悲しいです。
今、先生のような声を上げて下さる方の言葉がなによりの支えです。
ありがとうございます。頑張って下さい。そして、ご自愛下さいませ。
(かねごん)
HTさんコメントを頂きありがとうございます。
そういったお医者さんも多いですね。残念です。
福島での生活は大変だったと思います。
どうぞご自愛ください。
投稿: HT | 2011年11月 2日 (水) 02時39分