個人塾経営の処方箋
このブログを書き続けてきた間に、僕の塾も20周年、そして21周年を迎えた。個人塾を営むことが困難な時代になってきたが、かと言ってケツをまくって逃げるわけにはいかない。サバイバルの日々を、どうにか生き残ってきた僕なりの個人塾の処方箋を今日はしたためてみたい。
処方箋その1
生徒が増えた時こそ質素倹約に励むべし。
軽自動車に乗っていた塾長さんが、急にベンツに乗りゴルフを始めたりするのは、僕に言わせればイエローカードだ。調子の良い時こそ倹約に努め、次にやって来る冬の時代に備えなければならない。個人塾の経営者がやってはいけないこと、それは借金と見栄をはることだ。
処方箋その2
サービス業であることを忘れてはいけない。
先生、先生と呼ばれるうちに、学校の先生のような雰囲気を漂わせ始める塾屋がいるが、それが勘違いの一歩である。学校のシステムに欠点があるからこそ、僕ら塾屋が存在していることを忘れてはならない。
処方箋その3
大手塾と同じ土俵で戦ってはいけない。
プライドが高い塾屋さんが陥りやすい欠点は、大手塾の経営(派手さ)を模倣してしまうことだ。派手なチラシを出さなくとも、ネオン瞬く看板を掲げなくとも、個人塾ゆえに出来る着実な宣伝というものがある。地域密着型の経営を忘れてはいけない。
処方箋その4
健康に最大の注意を払うべし。
個人塾の多くは僕のようにひとり塾や、家族経営が殆どだ。入院などの長期休業が塾の命取りになる。暴飲暴食慎み、ストレスの解消を酒に求めてはいけない。散歩や趣味としてのスポーツは、塾屋には欠かせないアイテムだ。
処方箋その5
過去の栄光にすがってはいけない。
塾のパンフレットに自分の学歴を披露するぐらいはまだしも、ことあるごとに指導実績を自慢してはいけない。時代は刻一刻と進んでいる。昨年全員合格しても今年は今年である。過去の栄光を吹聴し始めると、塾は衰退する。
21年間の塾経営の中では、年収が100万円に満たなかったことが幾度かあった。それでもこうやって塾をやってこれたのは、一貫して個人塾であることを自覚してこれたからだと思っている。
塾業界の厳しい時代が続いているが、個人塾の存在は日本の教育に欠かせないものだと思っている。個人塾の先生方、頑張りましょう!
このブログが一人でも多くの皆様の心に届いていただければ幸いです。
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こんにちは。
こちらは、やっと夏期講習が終わりました。
講習後、中3生が何人か入塾してくれる予定なので、少し経営状況が改善しますが、依然としてパートを続けていかなければならない点は変わりません。
それはさておき、「個人塾経営の処方箋」五箇条は心して傾聴すべき内容です。私も独立してから似たようなことを漠然と思いながら経営してきました。
今年は震災の影響あって厳しい状況が続いていますが、震災が無くても自分の基本的なスタンスがおかしくなっていて、それが生徒減少につながっていたところもあったなと大いに反省しているところです。
(かねごん)
小林先生コメントを頂きありがとうございます。
ちょっと生意気な記事でしたが、僕が経営で留意していることを正直に書いてみました。
僕らの業界は大変な時代を迎えていますが、本物は残ります。お互い頑張りましょう!
投稿: 学び舎主人 | 2011年8月13日 (土) 10時19分