それでも海をあいしている
僕らは執着のカタマリだ。
物に執着し、お金に執着し、地位に執着し、そして命に執着し、そして苦悩する。
失うものが何もなくなった時、人間は自分を見つめる本質的なものと向かい合う。それは知(智)だ。
学歴のための学問も、お金を得るための資格も、所詮社会の都合が決めたはかりごとであって、普遍の知ではない。誰もが一度は考えたことがあるだろう、生きるとは何なのかを。そしてそのテーマこそ知の本質だ。
今回の震災で岩手や宮城、福島の壊滅した海岸の町を目にした者は誰でもが感じたことだろう。僕ら人間は無力だと。
津波で家も家族も全てを失った老人がつぶやいた。「それでも海を愛している」と。僕はこの愛こそ知の本質であり、生きることのテーマだと考えている。
愛とは他を知ること。そして自分を知ることではないだろうか。
命や財産を奪った海を、憎いとは誰も言わない。「海を愛している」とつぶやいた老人の言葉は、きっと多くの人々の想いでもあるだろう。
だから必ず東北の海は、そして町は復活する。東北人の知が、再生をもたらすと信じている。
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