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2011年3月20日 (日)

卒業式

       卒業証書 

            谷川俊太郎

ひろげたままじゃ持ちにくいから

君はそれをまるめてしまう

まるめただけじゃつまらないから

きみはそれをのぞいてみる

小さな丸い穴のむこうに

笑っているいじめっ子

知らんかおの女の子

光っている先生のはげ頭

まわっている春の太陽

そしてそれらのもっとむこう

星雲のようにこんとんとして

しかもまぶしいもの

教科書にはけっしてのっていず

蛍の光で照らしても

窓の雪ですかしてみても

正体をあらわさない

そのくせきみをどこまでも

いざなうもの

卒業証書の望遠鏡でのぞく

きみの未来

080510_090105

大震災後の卒業式。黙祷を捧げ、亡くなった多くの御霊に祈りの頭をたれた。卒業生の全員が無事集い、中学校の学び舎を今日巣立っていった。

凛とした空気の中、生徒たちの歌声が体育館に響いた。彼らは今日の日を決して忘れないだろう。息子の旅立ちに僕は心からエールを送りたい。

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