卒業式
卒業証書
谷川俊太郎
ひろげたままじゃ持ちにくいから
君はそれをまるめてしまう
まるめただけじゃつまらないから
きみはそれをのぞいてみる
小さな丸い穴のむこうに
笑っているいじめっ子
知らんかおの女の子
光っている先生のはげ頭
まわっている春の太陽
そしてそれらのもっとむこう
星雲のようにこんとんとして
しかもまぶしいもの
教科書にはけっしてのっていず
蛍の光で照らしても
窓の雪ですかしてみても
正体をあらわさない
そのくせきみをどこまでも
いざなうもの
卒業証書の望遠鏡でのぞく
きみの未来
大震災後の卒業式。黙祷を捧げ、亡くなった多くの御霊に祈りの頭をたれた。卒業生の全員が無事集い、中学校の学び舎を今日巣立っていった。
凛とした空気の中、生徒たちの歌声が体育館に響いた。彼らは今日の日を決して忘れないだろう。息子の旅立ちに僕は心からエールを送りたい。
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