百害あって一利なし
ここ10年間に於ける心療内科の利用者の数が、急増している。中高年の通院の増加もさることながら、思春期の子どもたちの増加が著しいという。
今日の子どもたちはエネルギーを外に向けず、内向的になった。『自分が悪いから、自分が努力しないからいけないんだ』そういった感情に支配される子どもたちが増えている。
勉強しないことを、まるで極悪人のようにけなす大人がいる。「こんな学校の宿題も出来ないようじゃ、社会なんかじゃ通用しねえだろう」 「なんでルールが守れないんだ。世の中にでたらもっと厳しい現実が待っているんだぞ」
日本の社会は、学校の勉強が出来なかったりすると、社会にでて役に立たないという強烈な暗示を子どもたちに与えていく。教師を含め、親もである。
これは絶対やめたほうがいい。勉強をすることの動機付けが完全に間違っている。いい学校を出て、いい会社に入らなくとも成功する道は星の数ほどあるし、学校の勉強が出来なくとも偉大な業績を残す人物はたくさんいる。
子供たちを脅迫して励ますやり方は、百害あって一利なしである。
学校の勉強が出来ないと、人生の敗北者になるような感覚を子どもたちに与える言葉の凶器は、使ってはいけない。
〇〇が出来ないと、〇〇が出来ないという負の連鎖の暗示は、子どもたちの持っている可能性に蓋をしてしまう。学校の勉強の成果だけで、人間を評価してはいけない。
子供たちを脅迫的に励ますやり方は、逆に、学校の勉強さえ出来れば社会に出て成功するという安易な思考を生み出すことになり、多くの挫折感と欝を引き起こしかねないと思っている。
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