夏蝉を霊木にしようとするものなり
一番大切なもの、それは愛する人の命である。何ものにも代えられない。
11月3日、悲しい告別式が行われた。市内の中学3年生M君の告別式だった。僕の息子と同じ15歳。ご両親や家族の悲しみを考えると言葉もない。
M君は中学の3年間野球部で活躍していた。同じ部活の仲間達が僕の塾に通って来ている。
通夜や告別式で塾を休んでいたが、今日久しぶりに塾にやってきた。僕は指導中、今回の交通事故については一切触れなかった。いや触れられなかった。
部活で一緒に涙と汗を流した仲間が、突然いなくなってしまった悲しみは、どれほどのものだったろうか。憔悴した表情に、僕は痛々しさを感じた。本当に辛かっただろうと思う。
交通事故という一瞬の悲劇。亡くなったM君が僕の末の子と同い年ならば、事故を起こした運転手の若者も、僕の長男とほとんど変わらない世代だった。運命の残酷さに心が重い。
若者が天に召された時に、思い出す言葉がある。
吉田松陰が獄中でしたためた『留魂録』のなかの言葉である。『十歳にして死すものは、その十歳の中に人生の四季がある。十歳をもって短いと言うのは夏蝉を霊木にしようとするものなり』
愛する人がいなくなった時、大切なのは、僕らもその道中であることを肝に銘じることだと思う。
心よりM君のご冥福をお祈り申し上げます。(合掌)
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