違和感を覚える
久しぶりに宮沢賢治についての記事になる。
僕が最近気になっていることの一つが、宮沢賢治が様々な分野に担ぎ出され、違う畑で独り歩きしていることだ。様々なボランティア支援団体やスピリチュアルな団体、そしてシュタイナー教育にいたるまで、宮沢賢治の名前を冠し、言葉は悪いがうまく利用している輩が多い。
彼の文学や詩が、時に宇宙論やある種の哲学概論にまで発展し、博識者の著作物に登場するのだが、ちょっと違うのではないかと僕は杞憂している。
最近はいろんなところで、賢治の詩の朗読会であったり、賢治に関する講演会が開かれているが、結構な入場料を取り、賢治がお金儲けの片棒を担がされている気がしてとても残念である。
岩手をちょっと訪れただけで、農業の農の字も知らないインテリ気取りの人間が、賢治の農業概論を論じたり、イーハトーヴ論などと題して岩手の風土を論じる姿などに、非常なる違和感を感じるのは僕だけだろうか。
確かに童話作家であり詩人である宮沢賢治の残した功績は計り知れない。しかし、人寄せパンダのごとく賢治の威光を借りる現状はいかがなものだろうか。
『どんぐりと山猫』や『注文の多い料理店』、『風の又三郎』の傑作を残し若くして天国に行ってしまった宮沢賢治。彼の作品を読むたびに感じることであるが、彼は本当に故郷を愛し、自然を愛し、動物たちを愛した人間だと思う。
そこには何の打算もない。ひょっとしたら周りが言うような、思想や哲学さえもないのかも知れない。ひたすらに農民を心配し、貧困を救おうとしたデクノボーの姿に、僕は痛々しささえ覚える。
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