我が家が長続きしてきた秘訣
現代社会に於いて、子どもたちの自立が難しい時代だと言われている。親御さんが子どもに手をかけ過ぎるのもあるだろうが、子離れが出来ない親御さんの問題もあるのだろう。
僕の友人や知人には、職業柄塾の先生や学校の先生が多い。そして年代的に良く話題に上るのが、息子や娘の勉強の指導についてである。
中には家庭教師のごとく、自分の子どもを教えている先生もいらっしゃるようだが、僕の周りの友人の大部分は、放任主義のお父さん先生が多い。
僕には息子が二人いるが、長男の時もそして来年高校受験を迎える次男にも、家庭ではほとんど勉強を教えたことがない(小さい時に本の読み聞かせはしたが・・)。
息子に教えてくれと頼まれもしないのに、こちらからご機嫌を伺って教えるほど残念がら暇ではないし、忍耐力も持ち合わせてはいない。「勉強を教わりたいなら、お父さんの塾に来なさい」というのが僕が勝手に決めた僕のルールである。
女房は初めの頃こそ、「お父さんは塾の先生なのだから、息子たちに教えてよ」と懇願していたが、今はあきらめたようだ。僕は男だから分かるが、中学校から高校にかけて、息子にとって父親はある種ライバルである。ゆえに父親に対して反抗的になる。
「ほっといてくれ」 「俺は俺で決める」 「お父さんの考えは古いんだよ」 そんな言葉が飛び出してくるのはごく自然な形であり、成長の証だと思う。思春期には一度父親の権威を否定しないと、うまく自立できないのが男の子の性(さが)のような気がする。
そういう時期に、父親が受験勉強に付き合ってあげるだけじゃなく、物分りが良くて、解く力もすごくあってなどという状況は、子どもをずっと父親の権威の元に置くことになり、尊敬に値する存在どころか、子どもをスポイルする存在になりかねない。
父親の存在が重すぎて父親を否定出来なくなると、男子は自分の外に自分の世界を見つけようとせず、ひたすら内向的な世界に安住の地を求めようとする。
中には思春期の息子とお父さんがべったりの関係で、素晴らしい成果をあげているケースもあるだろう。しかしそれは、母親のスタンスが絶妙であったり、家族構成がうまく機能したまれなケースであって、僕は例外的成功だと思っている。
かつて僕はこのブログで、商家は3代で潰れるという記事を書いたことがあり、多くの反響を頂いた。長男を稼業につかせようと、父親が口を出し、手をかけ過ぎると、3代目頃は自立心をなくし、運命を切り開くエネルギーが枯渇するのである。もちろんそこには甘やかしもあるだろう。
そういった流れを知っていた旧家では、3代目には娘を跡取りにし、婿を取ることで新たな血脈のエネルギーを注入してきたのである。
戦後の憲法下では男女平等が基本理念ではあるが、DNAを子孫に伝える事に於いては、生物学的に男性の遺伝子が優先する。残念ながら遺伝子は平等ではない。
余談になるが僕の家では僕が17代目。息子が家を飛び出しそうにもないので18代目ということになる。息子の勉強や仕事に関して何も口出しをしない家風が、我が家が長続きしてきた秘訣のような気がする。
ちなみに僕は、父にも祖父にも「勉強をしなさい」と言われた記憶がない。お陰で散々な学校の成績ではあったが・・・・。
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