学力の劣っている生徒をないがしろにする市場経済が構築されてしまっている
進学塾らしきネーミングの塾を営んでいて言うのもおこがましいが、今日本の教育は出来る生徒を優先して、学力の劣っている生徒をないがしろにする市場経済が構築されてしまっている。
本屋さんの参考書や問題集のコーナーに立ち止まってみると一目瞭然だが、中間や期末テストで、20点や30点を取る生徒に対応できるものなど何も無い。全ての教材が優秀な生徒のための参考書や問題集である。
塾でもそうである。最初から進学校を志望する生徒しかとらない塾が大半である。そうじゃなくとも、塾内テストの全員分の結果を張り出している塾の体験入学などを経験したら、日頃20点ぐらししか取れない生徒はそんな塾には入らない。いや入れない。
塾の本音を言えば、出来る生徒に入って欲しいのである。理由は簡単だ。結果を出してくれるからである。つまり宣伝になるのだ。
出来ない生徒は、出来る生徒の3倍も4倍も指導の手間がかかる。なんとか合格に導いても、その高校が俗に言う低学力校であれば、世間は評価をしてくれない。本来は一番評価をしてもらいたいところなのに残念である。
僕の塾は、塾生の1/3が進学校受験者である。そして1/10の生徒が学校の授業がチンプンカンプン。ゆえに塾に来て教えを請う生徒達である。学校から宿題を出されても、自力では解けないし、一人勉強である2Pノートをやれと言われても、何をやったらいいのか分からない生徒達である。
寺子屋式の塾ゆえに何とか対応出来るのだが、それでもやはりそういった生徒を置き去りにしてしまう状況は時に生まれてしまう。それは生徒が混み合っている時間帯の風景に現れる。
機転の効く生徒は、僕の指導がすぐにまわって来ないことを知るやいなや、その僅かな時間に学校のワークを取り出して演習を始める。一方のんびり屋さんの生徒は、僕が指導にまわって来るまで、ノートやプリントの裏に漫画を描いたり、鼻をホジホジしている。こちらから指示をしないうちは何もやらない。
かつて僕の町には、そういった低学力の生徒の面倒を見てくれる良心的な個人塾が結構あった。残念ながら今はない。労力がかかる割には収益が上がらないし、そういう生徒が増えれば増えるほど優秀な生徒が入って来なくなる。ゆえに進学校への実績が出ず、いつしか看板が消えて行くのである。
僕もこの20年間いろいろな生徒を指導したが、あまり面倒見が良すぎて(・・苦笑い)廃業に追い込まれそうな年が何度かあった。実は今年の春もその危機を迎えた。3月、4月、5月と新中3生の入会がゼロだった。おかげでと言う表現は不適切かも知れないが、在籍している受験生の基礎学力は飛躍的に向上したと自負している。
「この塾に入って良かった」と心からの感謝の言葉を頂いた。危機を迎えた、などと大げさな表現をしてしまったが、市内の私立高校さんに講師として雇っていただいているので、なんとか生活費を捻出できたが、残念ながら今年も21年目を迎える軽トラックを買い換えることが出来なかったかねごんである。
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