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2010年6月 6日 (日)

自分が不甲斐ない

僕の塾は毎年中3生が高校合格後、数名を除いて卒塾して行く。兄弟、姉妹で一緒に来ている場合、お兄ちゃんやお姉さんが卒業することで、一緒に卒塾して行く小学生が2,3名いる。

今年も2組の塾生がそんな感じで塾をやめていった。小学校を卒業して来なくなったTさんも同じケースだろうと思っていた。

そのTさんが先週おばあさんと一緒に小学校卒業以来、塾に訪ねてきた。おばあさんの口から大変な事実を聞かされた。

3月の末にお父さんが亡くなったのである。42歳だった。知らなかった。「家族が動転してすっかり塾に連絡を入れるのを忘れてしまって、お兄ちゃんの合格の挨拶もしないままで失礼してしまいました」

まったく失礼してしまったのは僕の方である。Tさんは学校に普通にまだ行けない状態だけれども、塾なら行ってみたいと家族に話して、おばあさんと来たのであった。僕はこみあげてくるものをじっと耐え、うなだれていた。

何か本人に言葉をかけてあげようと思うのだが、言葉にするにはあまりにも切なすぎて、僕の想いは言葉にならなかった。もう二階では指導が始まっていた。僕は涙をそっとぬぐい「じゃ来週からだね、待っているよ」という言葉を伝えることがやっとだった。

僕もTさんと同じ12歳の時に、母の口から父の命が危ないことを伝えられた。子どもながらに覚悟をしたのを覚えている。しかし僕の場合は、父は生きてくれた。12歳でお父さんを亡くしたTさんの悲しみを思うと、澄み渡る6月の夕暮れの空がとても切なく、僕の心は最後までうつむいたままだった。

塾生のお父さんの死を、2ヶ月も知らなかった自分の不甲斐なさと、告別式に線香の一本もあげることが出来なかった自分に憤りを感じた。

僕は一体何をしているんだろう。お父さんを亡くしたTさんにも、息子さんを亡くしたおばあさんに対しても、僕はなにも言葉をかけてやれなかった。

彼女の父親代わりにはなれないけれど、できることは一所懸命やらせてもらうつもりだ。明日からまた気持ちを入れて指導をしたい。それが僕のできることだであり、全てだと思う。

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