僕のささやかな哲学
こんな一貫性のないブログを書いているせいか、いろいろと人生相談のようなお話を伺うことがある。経営のことであったり、家庭の悩み事であったり、時に恋愛相談だったりする。
特に不況のせいか、お金にまつわる相談事が多くなってきた。リストラの嵐が吹き荒れ、相変わらず市内の有効求人倍率は限りなく0パーセントに近い数字だ。フランチャイズのハンバーガーショップが1名の求人を出せば、20名以上の希望者が殺到する、そんな市内の状況である。
職業安定所の駐車場は毎日満杯で、交通整理の警備員さんが汗だく状態である。
僕は一応しがない塾経営者なので、独立の相談や自営のノウハウを尋ねられることがある。皆さんが必ず聞いてくるのが、どれくらい資本金が必要かとか、どんな資格を取ればいいかという話が多いのだが、そのような話題から切り込んでくる人には、僕はサラリーマンを続けることを薦めている。自営業者向きではない。
独立して成功している人を見ると、ある共通点が見えてくる。一つ、資格にこだわらない。二つ、自分が人と勝負するうえで何が自分の武器かを知っている。三つ、儲かることではなく、自分の好きなことをやっている。
従って、そういう人は、粘れるし、無理が利くし、くじけない。普通のサラリーマンという言葉は存在するが、普通の自営業者という言葉は存在しない。
続けられるか、廃業するかのどちらかが必ず背中合わせの人生となり、普通などという曖昧な表現は自営業者に当てはまらないのだ。
独立するものは誰もが希望と展望を持って独立をする。銀行から運良くお金を捻出できた人は、いち早く借金を返済し、利益を上げることを考えるだろう。実は利益など2年、3年でないのが普通である。
もし開業して半年後に利益が出たとしたならば、よっぽど無理をしたか、天運に恵まれた人だろうと思う。なぜ新規開業したお店が半年や1年足らずで、やめてしまうのか。それは利益が出ないのではなく、理想が現実とかみ合わなかっただけだと思う。
ちなみに僕は楽天家であるけれど、常に最悪の状況を念頭において行動するタイプの人間だと自分を分析している。ゆえに躁鬱質の性質をいくぶん持っているが、自分が立ち直れないほどの衝撃を受けたことはない。ゆえにこうして生きてきた。
お金がなければないなりの工夫がある。一つ、流行に流されない。二つ、体が続く限りどんな仕事でも、たとえお金にならなくとも引き受ける。三つ、努力の継続が必ず運を持ってくると信じる。この三つが僕の経営者としてのささやかな哲学である。
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「普通でない自営業者」の学び舎です(笑)。
今日の記事はなるほどなあ、と思いながら読ませてもらいました。私は「独立して成功している」とはお義理にも言えませんが、「なんとか独立している」経営者としては、三箇条に同感です。
資格は何もありませんなあ。個人でやっているので大手にできない部分で勝負できるところは何か考えますなあ。そして、やっぱり塾の仕事が好きだからやってるんでしょう。儲かりませんが(笑)。
私の経営哲学は、どうにもならないことで悩まない、やれることを続けていればそのうちなんとかなる、というきわめていい加減なものです。他力本願というか極楽とんぼというか、まあどうにもならないときはあまり考えてもしょうがないですね。
ということで、寒くなってきましたがカゼやインフルエンザにお気をつけください。
(かねごん)
小林先生コメントを頂きありがとうございます。
極楽トンボがいいですよね。悩んでも悩まなくとも間違いなく明日はやってきます。一日一日を一生懸命、それでいいような気がしますね。
お互い頑張りましょう。
投稿: 学び舎主人 | 2009年10月14日 (水) 08時15分