最近『塾をやめる』という検索ワードが増えている。塾のやめ方で悩んでいるご父兄が多いようだ。
僕も長い塾教師生活の中で、いろんな生徒がいろんなやめ方をしていった。やめた生徒の殆どが他の塾に移って行くわけだが、そのたびに正直心が萎えたのは間違いない。
成績が伸びなかったり、塾内での人間関係が原因の場合は、100パーセント対応できなかった塾の責任なので何も言い訳が出来ないが、不可抗力的な退塾と言うのもある。
都会ならいざ知らず、僕のような小さな町で、「あの塾は良くない」などと噂を立てられたら死活問題である。やはり退塾の本当の理由を知りたいのが経営者としての本音である。
ちなみに今まで20年間で、親御さんの電話の連絡もなく、本人のやめるという言葉もなく、友達を介して、やめるという連絡をしてきた生徒が5名いたが、そんな時は塾という存在を完全否定されたような気がして、やけ酒を浴びた若き日々もあった。
今までに変わったやめ方をした生徒がいた。成績が伸びたからやめると言うのである。塾に来て勉強の仕方が分かったので自分でやっていくと言ってやめていった。その後、言葉通り独学で成績を伸ばし、見事志望校に合格した。
僕は嬉しかったが、正直微妙な気持ちではあった。なぜかと言うと、その子の妹がその後違う塾に通っていたからである。僕の塾は兄弟姉妹が入塾する場合は入会金を免除している。しかし「お姉ちゃんと同じ塾には行きたくない」とか、「○○ちゃんが入っているから兄貴の行っていた塾には行かない」などの話が聞こえてくると、一応僕も生身の人間なので、残念な気持ちではある。
ここ2年間で、やめてもらった塾生は4名いる。自ら塾をやめて行った生徒は3名いた。僕の塾は集団個別指導なのだが、その3名ともが、入試を前にして完全個別指導の塾に移って行った。
塾をやめるときは、電話で連絡をよこす親御さんが殆どである。「申し訳ありませんが今月一杯でやめさせていただきます。どんな手続きをすればよろしいでしょうか」。その電話が指導中だったりすると、なかなか詳しい事情を聞く事が出来ない。と言うか、意図的に忙しい時間帯にかけてよこすケースが多い。僕は相手の気持ちを察して、了承して電話を置く。
縁があって塾にやってきてくれた生徒に対して、僕は全力投球をやっているつもりだが、その投球が時として、しんどく感じる生徒もいる。今日はバリバリ攻めて欲しいと思う日もあれば、今日は敬遠でいいから、ほっといてという日もある。子どもたちの日々のコンデションを把握しなければ塾は成り立たない。
塾のやめ方というのは、人それぞれでいいだろうと思う。しかし嘘でもいいから「お世話になりました」の一言があれば、塾の先生も救われるような気がする。特に個人塾の先生は、この大変な時代、手を抜いている先生はいないはずだ。どうか気持ちを察していただければ幸いである。
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