ともだち
「20世紀少年」は浦沢直樹さんの人気マンガが原作。主人公のケンヂらが小学生のころに地球の滅亡について書いた「よげんの書」が、謎の人物「ともだち」の手で30年後の20世紀末に実行されてしまうというSFサスペンスを、唐沢寿明さんや常盤貴子さんら豪華キャストで映画化。「最終章」は、試写会でも公開しなかった原作と異なる結末が描かれるラスト10分に注目が集まっていた。
同社によると、動員数は2日間で67万7000人。21日に映画「第1章」が、28日にスペシャル版「もう一つの第2章」が日本テレビ系で放送された効果もあり、2日間の興行収入1、2作目の約1.4倍という好スタートとなった。8月3読売新聞【立山夏行】
「ともだち」と言われる宗教団体は、オウム真理教がモデルだ。世紀末思想をメインに掲げ信者を拡大していったオウムは、麻原という狂人を教祖と仰ぎ殺人集団へと変貌していく。
あの宗教団体が異質だったのか、入信していった若者たちが異質だったのか、それはあのサリン事件を見れば一目瞭然だろうけれど、「20世紀少年」が今子どもたちに非常に人気があること自体が、僕にとっては不安であり、驚きである。
洗脳という言葉が流行りだしたのは、オウム真理教などの新興宗教が増え始めた1970代後半の頃だったろうか。そしてあの新興宗教の流れは決して終焉などしていない。
スピリチャルという分類の本の中には、宗教団体の収益本になっているものが多数ある。ありもしない奇跡を合成写真で取り繕っている本や、ありもしない能力を吹聴している詐欺本が巷にあふれている。たちの悪い洗脳はいまだに続いている。
巷にあふれる教祖様なる人物もどれだけいるのだろうか。「私は○○の生まれ変わりである」とか「神の声が聞こえる」とか。今時の小学生でさえも笑ってしまう冗談のような話に、何ゆえいい年をしたおばちゃんやおっちゃんが引っかかるのだろうか。
テレビに登場するペテン師霊能力者に涙する芸能人を見ていると、愕然としてしまう。「だから君たちは麻薬のようなものにおぼれて行くんだよ」と叱咤したくなる。
僕は子どもたちにいつも言うのだが、仮に本当の霊能者なるものが存在したとして、本物はテレビのような俗悪なメディアに登場することはない。決してない。太って大豪邸を建てる本物の霊能者などいない。せいぜい狸か狐さんがおつきになっている輩だろうと思う。
大人も子どもたちも、孤独を埋めるためにともだちが必要なのかもしれない。しかしともだちを得る代償として、高額なお金や服従が必要ならば、それは決してともだちなどではない。
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