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2009年9月 9日 (水)

優秀な若者が優秀なままに成長していくためには

優秀な若者達は、おのずと社会から要求されるものが大きい。そして地位を築いていくと、城郭建築のようにだんだんと強固な石垣で自分を守り、お堀まで作ってしまう若者がいる。

俗に言う才能に溺れるというわけではないだろうが、自分は出来るという意識が過剰になり過ぎると、どうしても視野が狭められ、人の痛みがわからない人間になっていくものだ。

政治家や官僚もそうだろうなと思う。学歴や経済力、そして言ってみれば家柄のような運に守られ政治の中枢に抜擢されていく人間は、悲しいかな、いつしか人の悲しみや苦しみを思う力が奪われていく。出世の代償として、慈悲の想像力が欠如して行くように僕は思えるのだ。

僕の友人が苦学して小学校の教員になった頃、こんな話をしてくれた。教育現場の視察ということで、当時の文部省の事務次官クラスの役人が友人の勤める小学校に来ることになったと言うのだ。校長先生をはじめ、先生方がずいぶんとぴりぴりしていたそうだが、運転手付きの黒塗りの車で現れたのは、友人とそれほど年の違わない東大出のエリートだったそうである。

息子ほども年の離れた役人に、頭をぺこぺこ下げていた校長先生の姿が異様だったと友人が僕に語ってくれた。

現場に対して意見を述べていった役人は、きっと学校での教務の経験は無いだろうし、それどころか子どもを指導した経験も無いかも知れない。しかし彼らは教育界のトップにのし上がっていく。

「事件は会議室で起こっているんじゃない。現場で起きているんだ」というフレーズは、間違いなく教育の現場でも言えることであるだろう。

優秀な若者が優秀なままに成長していくためには、傲慢さをいかに自分の内面かから遠ざけるか、その一点に尽きるのではないかと思う。

民主党の管直人国会議員が、かつて非加熱製剤による薬害訴訟の患者さん達に、陳謝し涙を流した姿を僕は今も忘れない。政治家がかつての彼のような情熱と正義感を持ち続けてくれたならば、日本という国は直ぐに自浄作用を強め、再び国民一人一人がプライドと夢を取り戻し、輝き始めるのではないだろうか。

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