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2009年9月23日 (水)

高校の無償化

僕は中学校時代やくざな生活を送っていたものだから、県立高校を失敗し私立高校にお世話になった。当時我が家は処々の事情で家計が火の車だったので、授業料は奨学金とゴルフのキャディのバイト代で3年間すべて自分で払った。

今回公立高校のみならず、年収500万円以下の家庭にも、私学助成を年間24万円交付する趣旨の決定がなされた。東北地区に於いて、家計の年間収入が500万円以下の家庭は8割を超えるとの統計も出ているので、実質高校の無償化が実現する。

もちろん我が家の家計状態もその8割に含まれるわけで、再来年から高校生になる我が次男は、県立に入ろうが私立に入ろうが、ほぼ授業料は無償になる。僕にとっても朗報なわけだが、しかし喜んでばかりもいられない。

岩手県内ではここ10年の間に公立高校の定員割れを理由に、高校の統合や廃校がなされ、農業高校をはじめ多くの公立高校が消えた。そのため高校の通学に往復2時間を要する高校生もいっぱいいる。

なにせ岩手県はご存知のように、四国4県と同じ面積を有する。バスも走っていなければ、もちろん電車も走っていない地域がほとんどである。

一関市内の私立高校は、今回の民主党が決定した私立高校助成金の金額で、ほぼ授業料がまかなえるようになる。もちろん仙台市や盛岡市内の有名私立高校は、月謝が5万円~7万円かかるわけなので、無償化と言うわけにはいかないだろうけれど、少なくとも一関市内の私立高校の活性化は間違いないだろうと思う。

担当の職員が数年ごとにかわる県立高校とは違い、私立高校は地元企業や私立大学へのパイプラインは濃密であるし、生き残りをかけてとにかく指導は必死である。我々塾業界と同じく、生徒が集まらなければ、教師の生活そのものが成り立たないのである。

5年、7年で転勤を繰り返す公立高校の先生とは、明らかに求められる教育の質が違うのである。生徒がいてもいなくとも勤続年数で給料が上がり、ボーナスが上がっていく先生方とは教育のスタンスがはじめから違うということを理解して頂きたい。

また逆説の接続詞を使わせて頂くが、しかしである。私立高校に生徒が集まることで、今後廃校に追い込まれる県立高校も増加することが予想される。思い出していただきたい。かつて日本は老人の医療費無料化に踏み込んだことがある。しかし数年しかその制度を維持することが出来なかった。理由は財政難である。

今回も無償化に踏み込んだものの、数年してやっぱりだめでした、お金がありませんでは大変なことになる。公立の進学校に入れず、かと言って経済的理由で私立高校にも入れない中学生を受け入れる地元の普通高校がなくなってしまっていれば、教育の機会を奪いかねない状況が生まれるのは必至である。

県内でも廃校の話が出ている高校が幾つかあるが、高校無償化の流れのなか、廃校が加速する状況が生まれるかもしれない。しかし地元の中学生の受け皿として存続している、旧町村の公立高校の廃校だけはやめて欲しいと願うこの頃である。

今回の高校無償化が、政権奪取のためのリップサービスでないことを祈りたい。

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