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2009年8月27日 (木)

思いつきの野球論

日本のプロスポーツで一番お金が稼げるのが野球だろうと思う。入団するときの契約金もさることながら、年俸の最低保証も他のプロスポーツに比べれば制度がしっかりしている。

一時期サッカーに人気を奪われた頃もあったが、イチローをはじめとする日本人大リーガーの活躍の後押しもあり、日本球界も再び活気を取り戻している。

どこの中学校でも野球部の人気は高い。部員数も群を抜いている。僕の息子が通う中学校でも、毎年紅白戦が余裕で組める人数を常にキープしている。

なぜに野球がこれほど時代を超えて人気があるのかというと、確かにテレビ放映の頻度やマスコミが取り上げる影響度も大きいのだろうけれど、野球というゲームそれ自体が、日本人の社会性や、行動規範に非常にマッチしているスポーツであるからではないだろうか。

大黒柱であるエースピッチャーがいて、それを守る守備陣がいる。攻撃と守りがこれほどしっかりわかれているスポーツも珍しい。ゲームの責任の所在が曖昧であるが、メリハリをつけたがる日本人気質にとても心情的に好まれるスポーツのような気がする。

日本という国は島国のゆえ、古代からの戦はどこかよその国に逃れるわけにはいかなかった。常に狭い土地を防御せざるを得なかったし、また攻撃する策略も念入りに練られた。かつて茶の間を沸かせたプロレスもそうだった。とことん相手に攻撃をかけさせ、ひるんだ隙に今度は逆襲し相手を倒す。そんなパーフォーマンスが四角いリングの中で人気をはくした気がする。

野球はポジションが決まっている。サッカーのように、サードの選手が、ライトまで走って行ってプレーするようなことはない。組織的行動力が求められる日本社会に於いて、まさに野球はその縮図のような競技ではないだろうか。

日本人は仕事上のオールランドプレーヤーをあまり好まない。学校でもそうだ。自分の担当する教科や部活動以外のことに口出しをする先生はめったにいない。ある意味長所ではあるが、それが時に組織の閉塞性を生み、融通の利かなさを生じさせてしまうこともしばしばである。

野球は投手の負担が間違いなく一番大きい。最大のリスクを背負い、試合の流れを一番左右するポジションである。だから一人マウンドにたつその姿にしびれるのである。どうか日本の政治にもそんなしびれる人が出てきて欲しい。

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