なぜ自殺はいけないのか
中学生や高校生に「なぜ自殺はいけないんですか」と尋ねられたなら、皆さんはどのように答えるだろうか。
教育の最終目的は、子どもたちや若者に生きる勇気を伝えることだと思う。どんなに高学歴を得ても、一流企業に入っても生きていく喜びがない人生であってはいけない。まして自らの命を大切にしない人間であってはならない。
僕の同級生にも、親戚にも残念ながら人生の半ばで自らの命を絶ってしまった方々がいる。多くの慟哭と多くの憤り、そして深い悲しみが残った家族や愛する人達を襲う。
人生に訪れる試練にどのようなスタンスで向き合うかが、自らの精神性を高尚に保つ方法だ。時に裏切りであったり、別れであったり、貧困がやってくるときがある。それは自らが撒いた種であるかもしれないし、より豊かな人生を送っていくための天からの試練かもしれない。
人生には季節がある。春や夏の季節が長い人生もあるだろう。冬の時代が長い人生もあるだろう。寒さを経験しなければ芽を出すことが出来ない植物があるように、人間も辛さはかなさを経験しなければ大輪の花を咲かせない人がいる。
なぜ自殺がいけないのか。それは君しか出来ないことを放棄することになるからだ。君を愛する人が待っている。君の子どもとして生まれてくる命がある。君に救われる人達がいる。そういった命の連鎖を絶つことは、地球の歴史を、人類の歴史を脈々と生きてきた人達の努力を裏切ることになるのだ。
僕はそんなことを長年子どもたちに話してきた。華やかな人生を夢見ることは子どもたちの特権かも知れないが、大地にしっかり足を踏みしめて、着実な人生を歩んでいくことを僕は教え子たちに切望する。
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