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2009年7月20日 (月)

高校無償化

経済不況のため、大学どころか高校にも入れない子どもたちが増えていることを、このブログで何度か取り上げてきたが、民主党が公立高校の無償化というびっくり仰天の公約を打ちだしてきた。年収500万円以下の家庭には私立高校でも年間24万円を支給すると言うのだからすごい。

ちなみに我が家では下の子がこれから高校入試をむかえるゆえ、吉報ではあるのだが、年間4500億円と言われる予算をどこから持ってくるのだろうか。

新聞報道によると、配偶者控除を廃止して財源に充てると言うことらしいのだが、一部の負担増を考えると、手放しで喜べる政策でもなさそうである。

仮にこの公約が実行されるとなると、地方の進学状況は一転する。年間24万円と言う額は、市内の私立高校のほぼ年間の授業料に相当する。となると、金銭面の問題で公立高校に通わせていた家庭が、進学率や就職率がいい私立に子女を入学させる家庭が増えるはずである。

となると、人気のない公立高校は間違いなく廃校に追いやられる。ここで問題が生まれる。廃校が相次いだ後、やっぱり財源が厳しいので、高校の無償化は出来なくなりました、などと言われたらたまったもんじゃない。地方の高等教育はパニックに陥ってしまう。

選挙前だからこそ出てきた政策だろうけれど、冷静沈着な討議をして頂きたい。親が一生懸命働いてお金を出してくれているので、勉強を頑張るという生徒も少なからずいる。完全無償化が理想ではあるが、老人の福祉や医療の問題も山積みとなっている今、実施する優先順位をもう一度検討願いたい。

まずは私学助成を増やすこと。その財源は野放しになっている宗教法人の法人税の改正で賄えると思うのだが、いかがだろうか。

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