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2009年7月27日 (月)

プロのボランティア

人は多くの人達に支えられ生きている。家族や友人や会社の仲間やさまざまなコミニュティーによって。僕ももちろんそうだ。

このような不景気の時代だからこそ、利益が関与しない人間関係というのが逆に純粋に機能するような気がする。周りを見渡せば実に多くのものがボランティアの方々によって支えられている。

田舎の県道の周辺の草刈や、公園や公共施設の花壇の手入れ、小学校のスポ少の指導や、中学校の部活の指導、そしてさまざまな福祉活動が多くの方々の奉仕で成り立っている。

近年では、小学校の放課後学童保育を無料でやられている退職教員の方や、夏休みなどに中学生の勉強を見てくれる無料の寺子屋教室などと言うものも出てきた。我々の業界にとっては正直痛手ではあるが、退職をされた先生方の一つの生き方ではある。

ただ僕はボランティアという生き方について、ちょっと違う意見を持っている。僕の塾にも、お金が要らないので指導をさせてもらえませんかという電話が年に一度くらいかかってくる。目的が何かは知らないが、丁重にお断りしている。

相手のために無料で何かをやってあげるということは、実は相手に借りを作らせることでもあるのだ。

僕はよく子どもたちに『運』の話をすることがある。いいことを他人にしてあげると運がよくなるようなことを言う人がいるが、相手の『運』を考えるとどうだろうか。すべて無料の奉仕でやってもらっている方は、本当にそのことに満足しているだろうか。「心苦しさ」とか「ふがいなさ」みたいなものを感じてはいないだろうか。

やってくれた人に対して、何がしかのお返しをするというgive and take の生き方は僕は大切なものだと思っている。

例えば僕の田舎などでは、町まで歩いて行こうとしているお年寄りを車に乗せてあげたりすると、翌日トマトやトウモロコシをざる一杯に持ってきてくれたりする。金額に加算すると、かえってタクシーに乗ったほうが安上がりだった気がしないでもないが、まさにgive and take である。

そのおじいちゃんにしても「借りは返したぜ。また頼むぜよ」みたいな気概を感じて、僕は気持ちがいい。

相手に借りを作った気持ちを与えないボランティア、それがプロのボランティアだと僕は思っている。

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