父ちゃんもがんばっているのだ
塾に通ってきている中三のK君がしみじみとこんなことを言った。「大人になったら俺いいオヤジになりたいな~」と。
話を聞くと、彼は父親と向き合ってご飯を食べるのがいやで、いつも時間をずらして食べるのだという。お父さんが帰ってくると自分の部屋に引きこもり話はしないと言っていた。そんな彼が、自分が父親になったら息子や娘に慕われる父親になりたいのだという。
複雑な思春期の思いを垣間見たような気がした。
私はふと我が家の状況に思いをはせた。似たような状況かも知れない。私が家に帰ると息子たちは、いつもではないが部屋に引っ込んでしまうことは多い。かといって勉強をするわけではなく、部屋に入った瞬間ドンドンという低音が鳴り響く音楽がかかり、そのまま部屋からは出てこない。
テレビドラマによく見受けられる光景が我が家でも展開する。本当は塾生のK君のように父親とはフレンドリーでいたいのかも知れないが、微妙に気持ちが揺れ動く年頃なのだろう。私も中学生の頃を振りかえると、似たような心情であったし、実際今の息子たちと同じような態度だった気がする。
春の初めにも書いたが、今年はお父さんやお母さんが学校の先生をしている塾生が多い。4分の1ぐらいの割合ではないだろうか。ブログにはかけないが、子供たちは教員である自分の親に対してかなり辛らつな評価をする。
何気なく聞いていると、私自身も耳が痛くなるような話が入ってくる。私も家庭でのあり方を反省する場面が多い。
子供たちは、父親と打ち解けない責任をみな父親の態度のせいにするのだが、私は「俺たち父ちゃんも、子どもに理解してもらおうとがんばっているんだよ」と心でつぶやくかねごんであった。
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