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2009年5月22日 (金)

コーヒー物語

私は東京での暮らしが6年間だけある。4年間は大学生活で、残り2年間は進学塾での専任講師であった。仕事場は世田谷の千歳烏山というところであった。

夕方4時から夜9時30分までの仕事であったゆえ、昼間はよく喫茶店で読書やら、当時は音楽でメシを食うことを考えていたので、詩を書いたり曲のようなものを書いていた。特に暑い夏はクーラーのばっちり効いた喫茶店は最高の居住空間であった。

タバコとコーヒーと本があれば、まったくもって喫茶店は天国であった。その天国に時に私の好きな音楽が流れるものならまさしく卒倒もんであった。

コーヒーをブラックで飲むようになったのは二十歳の頃だったろうか。酒の味を覚えると同時に、コーヒーはブラックになった。豆の好みを言うと、モカが好きである。ブルマンやキリマンの豆は上品過ぎて、私のような粗野な人間にはいまいちマッチしなかった。

喫茶店の好みはそれほど私はうるさくない。程よい音量の音楽が流れていて、コーヒー一杯でも嫌な顔をしない店主の店であればOKである。毎日昼日中ネクタイをしめた若者が2時間も3時間も店に陣取っているものだから、時に「何をやっているんですか」などと店の人に聞かれることがあった。

今でもそうであるが、なかなか塾教師をやっているとは言えず、「ルート回りの営業をやっているんですけど、夕方開店の店を担当しているもんで昼は暇なんですよ」といい加減なことを言っては、店に居座っていた。

東京の街中で、決して知っている人などとは会わないだろう喫茶店で、毎日毎日コーヒーを飲み、ハイライトをふかし、本を読んでいたあの頃を思うと、その頃の自分が見つめていた未来のようなものを、私は現在生きているのだろうかと、ふと思ったりする。

今朝、もうすぐ二十歳になる息子と、二人並んでブラックコーヒーを飲んでいた。寡黙な息子はコーヒーを飲み終わると学校に出かけていったが、その後姿に若い頃の自分の姿を重ねていた。なりたい自分に彼はなっていくのだろうか、本格的な就職活動が始まる息子を学校に送り出し、そんなことを考えながら2杯目のブラックコーヒーを飲んでいた私だった。

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