最近のトラックバック

« 部活に思う | トップページ | いい笑顔だった »

2009年3月 4日 (水)

受験の失敗は赤い糸の導き?

30数年も経つが、自分が志望高校に失敗した時の絶望感は今でも昨日のように思い出す。2次募集までも失敗し、浪人覚悟の私は再募集で救ってくれた私学にお世話になった。

すべては自分の責任なのだが、子どもだった私は自分の運命を呪った。高専と工業に希望を出した時に色弱ということで、変更を余儀なくされた。現在でも光の加減によっては赤ペンと黒ペンの区別がつかない。時に黒で解答用紙に丸をつけ、塾生に叱責をもらうことがある。

工業系がダメなら普通科に切り替えて勉強をすればいいのだけれど、そこが私の精神力のなさだったのかもしれない。当時私の父は癌を患い長期の入院をしていた。家は農家ゆえそれなりの田んぼがあった。肉牛も飼育していた。小学校の高学年の頃から、私は長男として働き手の中心だった。農繁期には学校を休んだこともある。

勤めと看病に明け暮れる母に代わって、掃除洗濯、炊事も私の仕事だった。中学校では、生徒会や部活動に、家庭での鬱憤を晴らすかのごとく没頭した。学校の先生から頼まれればなんでも引き受けた。一種自虐的だったかもしれない。一方受験勉強はしなかった。

私学に入学した時に、私の内申書や成績表を見た担任の先生に、県立を落ちた理由を聞かれた。「入試の日に体調が悪かったのか」 そんな質問を落ちた日から散々聞かれた私はうんざりしていた。「勉強をしなかった」これが私の回答であって、それ以上の理由でも、それ以下の理由でもなかった。

家庭の事情が大変でも勉強するやつはする。私が精神的に弱かっただけだ。それだけのことである。

人生にIF(もし)ということはないかも知れないが、仮にもし私が色弱でなく、工業系の学校に入学できていたなら、家の経済状態を考えて進学はせず、市内に職を求め技術系の仕事をしていたと思う。そうなると現在二人三脚で塾を営んでいる女房とは出会うことはなかっただろうし、もちろんこうやって塾を営むことも100%なかったに違いない。

高校に落ちた私は俗に言う不良に変身した。週末はバンドを組んで音楽三昧。そして友人のバイクに乗り市内の夜を疾走した。家のためとか農家の長男などと言うしがらみは吹っ飛んでいた。

東京に出て鬱憤を晴らしたかった。そのための手段として大学進学を目指した。東京に出て青春を謳歌したいという願望だけが、私の勉強意欲をかきたてた。高1の頃の英語の偏差値など30ちょっとだった。模試を受ければ200点満点中、20点かそこらだったような気がする。それが高3の春には、七割近くの問題が解けるようになっていた。

高校三年間で読んだ本の冊数もゆうに500冊は越えていたように思う。睡眠時間は、音楽と勉強にとられ、3時間~4時間ほどの日々だったろうか。寝ない日も多かった。

何とか東京の私大にもぐりこんだ私は、実は大学1年の秋に今の家内と知り合った。その後7年の時を経て結婚することになるのだが、今思うと高校入試の失敗があったからこそ巡りあえた出逢いだった気がする。

私が家を離れ、農家をやらなくなったことが、病弱だった父の負担を増やし、50代の半ばで父を他界させてしまうことになるのだが、今私はそれらを含めて、自分の運命として静かに受け入れることができる。

なくしてしまった多くのものがあるが、得たものも多くある。それが人生ではないだろうか。

にほんブログ村 教育ブログ 塾・予備校教育へ塾・予備校ブログランキングに参加しています。よろしかったらクリックをお願いいたします o(_ _)oペコッ

大験セミナー春期講習ご案内http://daiken.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-a8aa.html

« 部活に思う | トップページ | いい笑顔だった »

コメント

長年お付き合いさせていただいてますが、色弱だったということを意識したことがありませんでした。
人の歩んでいく道には、本当にたくさんのIFがあふれているものだと思います。どこかで知らないうちに分岐点を越え、引き返せない所まで進んでしまってからそれに気づくことも多いような気がします。
それゆえ、その中で出会った人たちとのつながりを大事にしていきたいとあらためて思うこのごろです。


(かねごん)
小林先生コメントありがとうございます。
この年になって、自分の人生を振り返ることが多くなりました。一人の人間の長所や短所が、様々な人生模様を描いて行くのだろうと思います。
いい訳じみた強がりばかりをブログで書き連ねていますが、自分の偽らない本音と向き合ってみることも、心が浄化される感じでいいかなと思っています。
入試まで後4日ですね、受験も人生の織りなすいろんなドラマがありますね。お互いに頑張りますか。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 受験の失敗は赤い糸の導き?:

« 部活に思う | トップページ | いい笑顔だった »