アリとキリギリス
入試が気になってしょうがない受験生諸君に、アリとキリギリスのお話しをしてあげよう。その話は知ってるって? まあいいから耳を傾けてみてください。
アリさんは夏の暑い日、一生懸命えさ運びに精を出して働いておりました。キリギリスは夏の日差しがかげると木陰で一生懸命歌をうたっておりました。その歌声に森の動物達や木々さえも癒され、季節の風を感じ、楽しんでおりました。
一方アリさん達は、秋の気配を感じながら冬を越すための食糧をせっせと巣穴に運ぶ毎日でした。
秋が終わり冬がやって来ました。歌をうたい続けたキリギリスさんは自分の命をまっとうし、天国に行きました。そしてその朽ち果てたなきがらは、虫さんたちの食糧になりました。アリさん達はじっと冬を穴の中で、春の来るのを待って過ごします。・・・・おしまい。
かねごん脚色のアリとキリギリスでした。食糧を運ぶアリさんの仕事も、音楽を奏でるキリギリスさんの仕事もどちらもなくてはならない仕事であると思います。
絵を描いたり、歌をうたったり、スポーツをやることの価値と、英語や数学の勉強をすることの大切さを比較することは本来難しいことです。どちらも大切なものであり、時に世の中で、どちらも必要とされないことがあります。
入試の後の学校生活もそうです。学校で学ぶことのほとんどは、大学入試やある種の資格試験以外には、直接必要ではない知識かも知れません。
極論を言えば、大学に行かなくとも、資格がなくとも立派に人生を歩んでいけます。大学や大学院を出ても、生活力がない人はいっぱいいます。
命のスパ-ンがもともと違うアリさんとキリギリスさんを比べることが出来ないように、私たち人間の生きる使命もそれぞれに違いがあるように思います。努力したのにうまくいかなかったら、その努力は無駄だったのではなく、違う方向性を模索させてくれた、大切な努力だったのです。
私はアリさんの生き方も、キリギリスさんの生き方もすばらしいと思います。
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